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12月の転校生
「苗字は志すの志に超音波の波でしば、名前はそのままカタカナでノア」
なんかいつかどこかで聞いたような挨拶を黒板の前に立った長身で薄い青色のくりっとした目と緩くパーマがかかったようなきれいな透けるような金髪の男の子が言った
容姿端麗なとこまで誰かにそっくりだった…
クラス中ざわざわして、その誰かの席をちらちら見たりしてるけどその肝心の誰かはまた遅刻していた
前に座ってた健斗が振り向いて言う
「ね、あの子ちょっと銀に似てるね」
「………銀より性格よさそう」
健斗はははっと笑って前を向き直った
でも似てる…
チラッとまだ誰もいない隣の席を見て、志波ノアと自己紹介した男の子の方をみた
目が合ってにこっと笑顔を向けられた
………?…
なんだろう……
なぜか一瞬背中がぞわっとする感覚がした
その感覚が何なのかわからないままでいるとその子はとんでもないことを言い出した
「先週日本に来たばっかりです、でも昔は日本に住んでました、父が日本人、母はイギリス人のハーフで…」
その子が一度そこで溜める
じーっとこっちを見据えられた
「homosexual(ホモセクシュアル)です」
にこっと笑ってそう言った
………は?…
クラスもシーンとなっている
先生も一瞬はぁ?って顔をしてた
………ホモ?…
しばらくしてから今度はみんなちらちら健斗の事を見はじめた
健斗がクルッと振り向いて俺に大発見と言わんばかりの顔でこう言う
「ねぇ?学聞いた?ハーフだって!!かっこいいねぇ」
「………あ、あぁ…」
…………そっちじゃねえよ…
チラッと志波君の方を見るとまだこっちを見てニコニコしてた
「…あ、あぁ…だ、そうだ…じゃあ志波はとりあえず開いてる席に…」
「はーい、じゃあそこにしよっかな~」
先生がはっとしたように仕切りなおした
まぁ確かにこの空気はどうしようもないわな…
志波君はまだにこにこ笑ったまま俺の隣に来た
………ソコ、銀の席だけど…
まぁ後で言えばいいかと思ったけどなぜか志波君は座ろうとしなかった
……あれ…てかなんか…俺の事見てね…?
そうやってそろーっと顔を上げると志波と目が合った
ぞくっとする、銀のそれとそっくりだった
俺が何も言えないでいると志波君が口を開いた
「君さ、すっごいタイプなんだよね」
「……は?」
「う~ん…なんていうんだろ?なんか言い表せないんだけど君すごいhotだよ」
「…はぁ……」
なんだか言ってることが良くわからなかった
皆良くわかってない
志波君以外、先生も含めて皆きょとんとしてたと思う
その時ガラッとドアの開く音がして皆そっちに注目した
俺も反射的に首を巡らせてそっちを向く
見知った顔が見えて名前を呼ぼうとした
「あ…ぎ…」
チュッ
……………
一瞬周りの時間が全部止ったみたいに見えた
ドアの方を見てるクラスメイトもまだこっちを見て驚愕の表情を浮かべるクラスメイトもドアの位置からこっちを見ていつもはなかなか見られないような表情をしているピンクの髪の例の誰かさんも全部マトリ●クスみたいに止まって見えた
その中で一人だけ平然と志波が動いた
頬に当たってた暖かくて柔らかい物が離れてく
志波君の声がヤケに大きくはっきり聞こえた
「これからよろしくねcutie❤」
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