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お弁当のおべんとう

「ホントに猛は料理が上手いんだね!!」 「でしょ!?でしょ!?良かったね!!猛!!」 「………ありがとう、ございます…」 志波は健斗から猛の唐揚げを分けてもらっておいしそうに食べていた 隣からフンッと鼻を鳴らす音が聞こえた 「ねぇ学!!学も食べて見なよ!!」 「あ、いや、俺は食べたことあるから…んむっ!?」 「ねぇ?おいしいよね?すごいな~トンカツは前食べたことがあったんだけど唐揚げは食べた記憶ないなぁ~」 志波が自分の食べかけの唐揚げを俺の口に突っ込んだ ………俺は気にしないけどね…そう言うの… ちらっと隣を見ると銀は明らかに面白くなさそうな顔をしてた どう見ても不機嫌だった 「日本食、おいしいなぁ~…学は料理とかするの?」 「まぁ…一往一人暮らしだから人並みにはする」 「へぇ~じゃあ今度学も日本食教えてよ、俺スシがいいよスシ」 「スシ!?寿司は…むりかなぁ…チラシ寿司はできるけど…」 「チラシ寿司!?なにそれ!!」 その後も志波は良く話して俺に次いでなかなか人見知りの激しい猛とも打ち解けたみたいだった 俺も志波と話すのは楽しかった 「あ、学、お米ついてるよ…」 「え、あ、どこ?」 「んーココ…」 志波に指摘されて口元を拭ったけど変なとこについているのか取れなかった 場所聞こうと顔を上げたらチュッと何かが唇の横辺りに当たった 健斗と猛がぎょっとしてこっちを見たまま止ってるのが見えた 隣からもはっと息を飲むような音が聞こえた 俺も動けなくて志波が転校してきた時と同じような状態で全員固まって志波だけが動いたぺろっと口の端を舐められて近くにあった志波の顔が離れて行く 皆固まって動けない 俺も自分の事で精いっぱいで他に頭が回らなかった そんなときに予鈴が鳴った 志波がんっーっと伸びをして立ち上がった 「あー楽しかったなぁ~猛、唐揚げおいしかったよ!!ごちそうさま」 「……え、あ…うッス…」 「じゃ、俺先に戻るね~」 そう言って志波はスキップで教室に戻って行った しーんっとなってしまう ………そ、そうだよ…志波、まだそう言うのがわかってないから… そう思い直す ちょっと慣れなかったせいで変な対応しちゃったけど志波のいたとこだとこれが普通だったんだもんな…きっと… ほんとにそう思った 「…あ…あ、の…オレら戻りますね…」 「えーなんで?でもさっきのってさ、キ…あ!!ちょっと!!猛!!離して!!抱っこしないで!!!」 「し、失礼します…」 「ねぇ!!だってさっきのってキ…」 「先輩!!」 そう言って健斗と猛はいなくなってしまった またシーンとする

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