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成長したこと
「……はぁ…」
またため息が漏れた
スマホを眺めて何度目かわからないくらいメール欄のチェックをした
今日家に帰ってすぐ銀にメールを送った
志波とのことについての謝罪と感謝あとは志波にちゃんと注意してそしたら志波ももうしないと言ってくれたことも書いた
でもその返信は返ってこないままもう日付も変わろうとしている
もちろんスマホと固定電話両方に電話もしたけれど銀は出なかった…
「…………」
ぼーっと窓の外を眺める
明日会いに行かないと…
今までの事を通してこんな風になった時はちゃんと会って素直に話すのが良いって良くわかっていた
今回銀は俺のために志波に怒ってくれたんだし、ちゃんと会って誤解を解かないと……
志波の胸ぐらをつかんで怒鳴った銀を思い出す
あんな銀見たのは初めてだったし人があんなに切れてるのを見たのも初めてかもしれない
でも…でもちょっとだけそんな銀を見て嬉しかった…
銀はずっと、俺と一緒にいても何かしら隠し事があるような、あえて隠してるようなそんな雰囲気がある
最近はちゃんと大事な事を言ってくれるようになったし普通に嬉しい
でも別にそれを信用していないわけじゃないけれどその発言もどこか秘密めいてるような感じだった
銀に不満があったわけじゃないし銀が俺を大事にしてくれているのも分かってたから別に気にはなってなかった
ただ何となくそう思ってた
だからかわからないけど今日みたいに銀が俺のためにわかりやすく感情を示して怒ってくれたことが嬉しかった
「………銀……」
……大丈夫…ちゃんと仲直りできる…
少し前に顔をぐしゃぐしゃにして泣きながらも学はちょっとだけ素直になった方がいい…って言って背中を押してくれた人の事を思い出した
俺が銀を好きなのは今も変わってないし、今はちゃんと素直にならなきゃいけない時もあるってわかってる
今意地をはって子供みたいに拗ねてたらまた良くないことになるってわかってる
「………だから大丈夫……」
明日…明日すぐに会いに行く…そうしたら…そうしたら銀だってわかってくれる…
そう思って布団に入った
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