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うちに来た理由

「…で…何があったんですか…」 「んーなにが?」 飯が終わって猛と猛の弟が使ってるって言う部屋に予備の布団を敷いてもらった 別に財布あったしどっかホテルとか泊まっても良かったんやけどあの姉妹がせっかくだからって 布団が薄い…手首足首が寒い… 風呂と服まで借りて薄い布団に寝そべってると夕飯の後片付けを終えた猛が来てそんな事を言ったちなみに今日猛の弟の洋太君は気を使って姉貴たちの方で寝るらしい なかなかできる奴や… 「……だから、何かあったからオレんち来たんすよね?学さんですか?」 「……んー……別に…?」 「一往心配してるんですけど…」 硬い枕に顔を埋めてた顔を少しずらすと猛は真剣そうな顔でオレを見下ろしていた 思い出したくないことが思い出されて若干イラッする… 枕からゆっくり顔を上げて猛を見た 「……もしお前に言うたら解決すんのか…?」 「…しません」 こう言う風に威圧してもビビらないどころか威圧し返してくる辺り猛らしいなぁと思う まなは良く言えば気を使えて悪く言えばビビりすぎやし、健斗は良くも悪くも鈍くて気づかない 「解決はしないッスけど…でも相談したらもしかしたら力になれるかもしれないじゃないですか…」 「…………」 そう言って猛はオレの隣の布団に座った もう一度枕に顔を半分だけ埋めて猛を眺めた 「それに…人の家いきなりに上り込んで理由話さないのは非常識です、元から非常識ですけど…」 「猛君に会いたくなっちゃった❤」 「キモいです」 片足を折り曲げてウインクまでしたけど猛にはげんなりされた まぁここできゅんとされても困るんやけど… 「…………」 「…………」 お互い見合ったまましーんと静かになる 猛は目を逸らしたりしなかった フッと頬が緩む 猛になら話してもええかなぁ~って特に理由はないけど思った 「……2週間前ぐらいやろか?うちのクラスに転校してきた志波ってやつ知っとるやろ?」 「…はい…紺庄先輩ずっと騒いでたし…昼飯も一緒に食ったんで…ハーフで顔も良くてカッコいいって…」 「………お前それ健斗が言っとって嫉妬したんやろ?」 「してません」 「嘘つけ、ムッツリ」 「……ムッツリじゃありません」 「それも嘘や」 「………話し続けてくださいよ…」 「健斗志波と仲ええで」 「そっちじゃありません!!」

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