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会いに行く
まなに触りたくて思わず家から飛び出して電車に乗った
外は十分寒いはずなのに汗をかいた
スマホを見る
まなから返信は来てなかった
まなに会いたい…会って触りたい…
3日会ってないだけでそうとうなもんやった
もうちょっとでまなに会える…なのに…なんやろ?
なんだか胸がざわざわした
我慢できなくなって電車の中やったけどまなに電話を掛ける
26日なんて中途半端な日の中途半端な時間やし電車にはほとんど人もいなかった
まなは意外とすぐに電話にでた
『……………』
「…まな?」
『……………』
「もしもし?」
まなはずーっと黙って何も言わんかった
しかもちょっとするとぶつんと電話は切れてしまった
……………
すぐまなにメールする
会いに行くからって言った
そしたら今度はまなから電話がかかってきた
「……もしもし…」
『………』
またまなから返事はなかった
電波悪いんやろか?
「……まな…?」
『……っず…』
そう思ったけど突然スピーカーからまなが鼻をすする音が聞こえてきた
「なぁ、まな……仲直りしよ?」
するとまなは息を飲むみたいな「っんっん」って音がしたきっと頷いてるんやと思う
「待っとって」
またうんうんうなずいてるような音がする
『あ、の!!…さ…』
「…うん?」
『待ってる、から…駅いるから…』
「…………うん…」
そう言って電話は切れた
まなの声も聞けてまなも駅で待ってるって言っとった
なのに……
なぜかざわざわした感覚は胸に残ったままやった
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