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どこにもいない
『プルルルルル…プルルルルル……○×留守番電話サービスに接続します』
……ダメや…出えへん…
40分ぐらい前電話した時、まなはぐずぐず泣きながらも駅で待ってるって言った
だから駅に電車がつくなり改札まで走った
やっとまなに触れると思った
でもまなはいなかった
外かとも思ってまながいつも使う出口にも行ってみたし、たまに一緒に入るファーストフードの店にも言ったけどまなはおらんかった…
胸のざわざわが強くなる
まなのスマホに電話を掛けながらまなの家まで走った
久々に必死に走って息が切れた
まながなんらかの事情で家に戻っていることを祈った…
まなの家のチャイムを押して待つ、それでもやっぱりまなは出なくて
まなの家の前にズルズルと座り込んだ
いない…まながいない……
こんなにうろたえたのも久しぶりやった
まながこんなタイミングでオレより優先しそうなことを必死で考えたけど特にこれといった考えも浮かばなくて
今度は健斗に電話した
『プルルルル…プルルルルル…はい、ぎ…』
「健斗まな見んかった?」
『うわ!!銀……どしたの?そんないそいで?』
「ええから、まな見んかった?」
『あ、もしかして学と仲直りしたの?』
なかなか答えない健斗にイライラしてたら後ろから「先輩、変わってください」って声が聞こえた
健斗は猛と一緒におったらしい
『…変わりました』
「猛まな見とらん?」
『見てないです…けど、どうしたんですか?』
「まながおらんねん」
猛はオレとまなとのかくかくしかじかを知ってるおかげですんなり理解してくれて
健斗にも聞いてくれた
でも結局二人ともまながどこにおるか知らんかった
どんどんざわざわとした気持ちが大きくなった
……………まな……
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