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クリスマスおまけ もう酒は飲ませない…
「いだい~たけるぅ…いだいよぉ~何したのぉ?」
「……………スイマセン……」
次の日の朝
先輩は何も覚えてなかった
抜くのをどうするかあたりはもう酔いがさめてたと思ったんだけど…
でもそこも全部覚えてなかった
やっぱりもう酒は絶対飲ませない……
「いだいよぉ~お尻いだい~…」
「昨日そんな激しくやったんや…猛クンいつもそうやってクールぶってるのに夜はオオカミなのね…キャッ♥」
「キャッってなんすか…その言葉そっくりそのまま先輩に返します」
「え~オレは別にいつも隠しとるわけやないし~どっかのムッツリスケベとは違うし~なぁ?まーな?」
「………うっせ…喋んな…頭に響く……」
「い~だ~い~…たけるぅ…なにしたのぉ…いだいよぉ~」
「……………」
頬付先輩も学さんも起きてきてテーブルに座ってた
……学さん…普通に座れなくて不本意そうに頬付先輩の膝の上に座って毛布にくるまって机に突っ伏してるけど…
学さんは辛そうだった
頭も腰も痛いくて何もできないような状態らしくって
満足そうな頬付先輩に鶏雑炊食べさせてもらってた
………かわいそう………酒の匂いだけで酔ったわけだけど…
「たけるぅ…たける、おれもご飯…」
「先輩食べるんですか!?」
「卵焼き…」
「ありませんよ」
「作って?」
「……………」
「いだいよ~たけるお尻いだいよぉ~」
「………わかりましたよ…」
紺庄先輩は紺庄先輩で辛そうだったけどでも…なんか…朝ごはん食べたら治りそうだった……
それでもやっぱり先輩は辛いらしく
すぐに毛布にくるまってソファの上で丸まってしまった
……わるいことしたな…
そう思いながらも先輩が好きな少し砂糖多めの黄色い卵焼きと鶏雑炊と味噌汁を持っていった
少しでも食べれるといいけど
オレが近くに行くと毛布の塊がごそっと動いて先輩が顔を出した
心なしか顔がキラキラしてる
「…あ……」
「………?」
「あ!!」
先輩は口を開けてあーあー言っている
「もしかして食べさせてほしいんスか?」
「だって起きれないんだもん…」
「……………」
「………あ…」
また先輩は口を開けて入れてくれとねだった
仕方ない…
卵焼きを一切れ箸でつまんで口に運んでやる
先輩は雛鳥みたいでちょっとかわいかった
ふふっと笑って幸せそうに飲みこんでからまた「あ」っと口を開けた
先輩はいつもおいしそうに料理を食べてくれるから作り甲斐があった
今度は鶏雑炊を冷ましてから口に入れてあげた
またニコニコして食べてくれた
「…たける……」
「……?…」
ちょいちょいっと先輩が手招きした
先輩に顔を寄せる
「………好き…」
「…………」
一言だけそう言うと先輩はまた「あ」っと食べ物を求めた
…………くっそ…かわいい……
顔が熱かった
先輩の顔にもう一度顔を寄せる
先輩はきょとんとした顔をしていた
「………俺もです…」
「…えへへ……」
先輩は嬉しそうに顔を赤らめてくれた
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