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クリスマスおまけ 大好きです

「ふふっ♪まーなっ?」 「……だからやめろ……頭痛いんだッつの…」 俺は銀の膝の上に座って机に突っ伏してた 視界の隅にソファの辺りでイチャイチャする猛と健斗が見えた ホントバカップル…… 俺は何故か昨日の夜から起きるまでの記憶が何にもなかった 乾杯したのは覚えてる… 銀が酒飲んでて健斗も酒飲んでて…で飯食ったのも…覚えてる… でも健斗が俺と銀抜きで猛とやったクリスマスパーティの話しをしだした辺りから記憶が抜け落ちてた それで朝起きたら素っ裸で素っ裸の銀に抱かれて眠ってた しかも尻も腰も頭も痛いし気持ち悪い… 朝2回ぐらい吐いた… それで尻が痛くてすわれなくて仕方なく銀の膝に座って銀に飯を食べさせられてた 猛が作ってくれた鶏雑炊は腹に優しくて素直においしかった 胃に染みわたるってこういう感じだと思う… 「はい、まなあーん♥」 「………あーん…」 「まながあーんやって!!かーわええ~」 「う、うるさい!!仕方ないだろ!!反射だ!!くっそ…頭痛い…」 「う~ん…顔はちょっと熱いけど熱はなさそうやし…寝てたら治るやろ?」 「……!!」 銀が左手を右の頬にあてて左の頬にぺたっと自分の頬を付けてきた なんでこいつはこう恥ずかしげもなく…!! 「離せ!!」 「わ、まな、そんな急に動いたらまた気持ち悪く…」 「うぇぇ…ぎぼぢわるい…」 「……………」 うぇ…吐きそう… そうやって机に突っ伏してると銀がひょいっと俺を持ち上げた …お、お姫様抱っこ…… でも気持ち悪くてそんなことに抵抗もできずにじっとしてると銀は猛に一言言って俺をベットまで運んでくれた ハッキリ言って座ってるのもきつかったから嬉しい 「ほら、まな寝ときや、寝てればなおるわ」 「………さっき起きたばっかりなんだから眠れるわけないだろ……」 「あぁ……オレにぎゅーって抱き着いて寝とったな…」 「!!そう言う事言わなくて!!…いてて……」 起きあがろうとしたら頭がズキンと痛んで途中でうつ伏せに肘をついてしまった くっそ…どんだけ激しくしてんだよ…… 記憶がないのを良いコトに銀にやつ当たる じろっと銀を睨んでみた 銀はそんな視線ににやっと笑って返事をしてきた ほんと腹立つ… 「まなそんな睨まんでもええやん~」 「……うるせ…」 「でもそれ照れ隠しやもんな~?ちゃんと言えてないだけやもんな?」 「………は?…」 「『きっとちゃんと言えないので手紙を書きます でもハッキリ言うとすでに恥ずかしいので捨てたいですでも書きます』」 「…………?…」 突然銀は何か読み上げるような口調になった 初めは全然何言ってるのかわからなかった 「『えっと…いつも感謝してます… 銀の事は初め嫌いでした、意地悪だし、ワガママだし、強引だし、言うこと話聞いてくれないしすごく嫌でした』」 「…………」 あれ…?コレどこかで聞いたこと…… 「『でも何かと助けてくれるし…実はそんなに意地悪ばかりでもないので今はそんなに嫌いじゃないです』」 「……………!?…」 思い出して急に顔が熱くなった ベットの端に置いてた袋もない どんどん顔が真っ赤になるのがわかった 銀はそんな俺をみてにやりと笑った 「『え、っと…あ、と…いつも迷惑かけてばっかりでごめんなさい…俺素直じゃないし、顔もスタイルも良いわけじゃないし、勉強もできるわけじゃないし、男だし…』」 「………や、やめろ………」 「『と、とにかく…今は銀の事そんなに嫌いじゃないし感謝してます』」 「やめろっつってんだろ!!!」 気持ち悪かったのや頭が痛かったのを忘れてベットから転げ落ちるように銀がひらひらさせてる紙に手を伸ばしたけど届かずに手前の床に落ちて痛い思いをしただけだった 「『杉田学』」 「……うぅ……」 恥ずかしくって一緒に床に落ちた布団を頭に被った 「『追伸……』」 「…………?…」 追伸なんて俺書いたっけ…? 考えを巡らせて書いた恥ずかしい内容をもう一度思い出した …………………!!… 思い出して顔が熱くなる 銀を止めようと急いで布団から顔を出した 「銀ちょっとま…」 「『大好きです』」 ほんの数センチ先に銀の顔があって思考が止った 「オレもやで?まな」 「………………ッ!?」 銀はニヤッと笑ってそう言って俺の鼻にキスした またぐんぐん顔が赤くなった 【クリスマスおまけ おわり】

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