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俺が教えたろか?

「ねぇ~学~なんで?なんで怒ってるの?」 「………怒ってない…」 「うっそだぁ!!怒ってるじゃん!!学禿げるよ!!」 「うるさい!!」 「いたいっ!!」 昼休み… 猛と健斗と銀と昼飯を食ってると健斗が言い寄って来た ウザったくなってそんな健斗にげしっとチョップする 健斗は頭を押さえながらまたぶーぶーと文句を言ってた 「…………学さんなんかあったんすか…?」 「んー…知らんけどな?なんやテストで4…」 「言わなくていい!!」 銀がにやにや顔で猛に教えようとしているのをさえぎる またそうやってペラペラいろんな人に言うから…こいつは…!! 「まな~まだおこっとるん?」 「………」 いじけて明後日の方を向いてたら銀が俺の顔を覗き込むみたいにして聞いて来た 頬をつんつんと突かれたりして何となく気恥ずかしい 「もうええやん?な?」 「誰のせいであんな点数とったと思って……」 「ごめんて~機嫌、直して?」 「ッ!?」 ぷいっと顔を背けてると突然頬にちゅっとキスされた 顔がぐんぐん熱くなる こいつ全然反省してない… そっちに顔を向けても余裕綽々でにんまりしてた く…っそ…… 「今回の期末…悪かったらお前のせいだ…」 「期末…?…………あぁ~そう言えばもうそろそろテストやな?…」 「………………」 こんなのが毎回一桁の順位に入ったりするから驚きだった… 銀はいつもほとんど勉強なんてしないくせに成績は良かった きっとちゃんと勉強したら一位も夢じゃないようなそんな成績だった まぁ本人それに興味なくて勉強なんてしてないらしいけど… 「お、お前も点取れるんだし…たまには勉強してみても…」 「え~オレ勉強嫌いや~」 「………」 銀は自分の食べたパンの袋を器用に折って結びながら言う 腹立つな… 「勉強せんでもある程度できるんやもん」 「お前も一度悪い成績取ったらいいんだ……」 48点のテストを思い出すと胃が痛かった 帰ってちゃんと復習しよ… その時銀が何か思いついたみたいにこっちを見た 「まなさぁ、そんなこまっとるんならオレが教えたろか?」 「…は……?」

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