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トラウマ状態

「おーい…テスト返すぞー」 「うげぇ…」 「またかよー」 「…………」 また帰りのSHRで担任がテストを持って来た ブーブーとブーイングが巻き起こってる 「すぎたー」 「………」 先生のとこまで行ってまた折ったままプリントを持って帰って来た 「……………」 そーっと開いて中を覗く 「……………」 …………ダメだ… また机に頭を付けて突っ伏した テストの右上には38と書かれてた 下がった… 「ね~学?何点だった?え?俺?俺はひゃく……」 「聞いてない…ばか…」 後ろから背中を突いて来た志波の八つ当たりする 「かわいい~学いまの「ばか」っていうのかわいいよ」 「………」 本人全然応えてないけど… すると今度は前から肩を叩かれた 顔を上げるとニコニコしてる健斗が見えた 「ふふーん♪ねぇ学何点だった?」 「……うるせぇ…」 「おれ?おれはね…」 「だから聞いてねえって…」 「じゃーん!!」 健斗は聞いてもないのにテストの紙を俺の顔の前に突き出して来た ……って…え…… 「じゃーん!!60点!!」 「…………」 「昨日ね!!しずちゃん先輩と猛が教えてくれたの!!」 「…………」 「あれ?どうしたの学?ねぇ、聞いてる?ねぇってば!!」 「…………」 健斗に負けた…… ガックリとうなだれる 健斗の声が遠くに聞こえた気がした その時突然手に持ってたテストがスルッと手から抜き取られて行った 「……………」 「うわ~ひどいなぁ…」 言わずとも銀だった 銀は一通りテストを見るとこっちを見た ゾクッとする 「昨日解けとったやん?」 「……………」 また昨日の事を思い出して顔が熱くなる だって……昨日のこと思い出したらなんか…いろいろ思い出しちゃって…… また昨日の様子や感覚がフラッシュバックしてきた カーッと顔がどんどん赤くなる 耳まで熱い 銀はそれがわかってるのかわかってないのかにやっと笑って俺の耳に口を寄せた 「今日もオレんちで勉強、な?」

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