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集中力
結局今日も銀の家に連れてこられる……
………これ逆効果だと思うんだけどな……
銀はまた髪を縛ってメガネを掛けて俺の今日のテストを見ていた
ちなみに銀は今日のテスト100点だったらしい…昨日全然勉強とかしてなかったくせに……
じとーっと銀を睨んでると銀が顔を上げた
「まなまた昨日と同じような間違いばっかりやんもったいないなぁ…」
「………」
「ケアレスミスなくなるだけで90点ぐらいはとれそうやで?どしたん?」
点数が悪かったのは本当の事なので何も言えなかった
またしゅーんっと心がしぼむ
「まな?」
「………なんか…昨日の、その…いろいろ…思い出して……なんか集中できなくて……」
「昨日の?」
「そ、の…だから…………」
「ちゅーとかエッチとかって事?」
「ッ~~~~~!!…そうだよ!!くそっ……」
「ふ~ん?…」
「な、なんだよ……」
銀はそれを聞くとにやっと笑ってまたじりじりとこっちに近付いてきた
それに合わせて後ずさる
「…く、くんなよ…!!」
「やだ」
「や、やめろ…」
「まだ何もしとらんで?」
「まだってなんだよ!!」
「そのままの意味のつもりやけど?」
「う、あ…わっ、やめ…」
いつの間にかベットのところまで追いやられて
俺を囲うみたいに腕で両側をふさがれて逃げれなくなった
ぐぐっと銀の顔が近づいてきてとっさにベットの上の枕を取ってそれに顔を埋めてせめてもの抵抗にする
「まなソレ煽ってるん?」
「!?なっ、なわけないだ…っひ!?」
「こっちがら空き…」
「…っう…っくぅ……」
銀は初めは枕を引っ張ってたけどそのうち枕を取り上げるのを諦めてうなじを舐めだした
ぺろぺろと骨に沿うように舐められてゾクゾクする…
「ぎ…ん……やめっ……」
「……………」
そう言うと案外あっさり銀は口を離した
不思議に思って枕を少し離して見ると銀はまだじーっと俺を見下ろしててあわてて枕で顔を覆った
「ふっ…まなめっちゃかわええ…」
「…う、っせ…」
そう言うと銀は俺の頭を一回撫でてから
さっきまで座ってたテーブルの方に戻って行った
「………?…」
「はい、まなコレな」
「………」
こっちに戻ってきた銀に数学の教科書を渡される
………なんで?……っていうか…ここで?
頭にたくさんの?を浮かべてると突然体が地面から離れる感覚がして気づいたら銀に抱き上げられていた
「銀!?」
「今のまなにな足りないの集中力やと思うねん」
「っや、だから降ろし…」
「せやから今日は教科書読んで」
「は?」
変な声が出てしまった
教科書…?
自分の腹の上にある俺と一緒に銀に抱き上げられて教科書を見る
………なんで教科書…?
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