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ムッツリスケベのご褒美
「………」
「せ、先輩大丈夫ですか……?めっちゃ揺れてますけど……」
「…ん、んー…へーき…」
「眠いんスか?」
「…………」
「眠いんスね…」
「ちょっと昨日夜更かししちゃって…」
「別に今日いつもより遅くに来ても良かったんすよ…?」
「ん…でもなんか……」
先輩に誘われて図書室で勉強することになったけど先輩は勉強始めてちょっとしたぐらいから船をこぎ出して今はもう目までつぶってノートにもミミズが這ったような線が書かれててハッキリ言って勉強にはなってなかった
きっと昨日も夜遅くまでがんばってたんだろうなぁ…
そう思うとほほえましかった
「先輩もう帰ります?一回昼寝とかしてから勉強した方が…」
「そしたら夜寝れなくなるもん…」
「………でも、とにかく帰りましょう?このままここにいるのもなんですし…」
「……んー…」
先輩は手元をふらつかせ目を擦りながらノートや教科書なんかを片づけだした
こ…コレ先輩帰れるのかな……
先輩は荷物をしまい終わった後も立たずにふらふらしてた
「せ…先輩…?」
「んー…たけるぅ…おんぶー……」
「…………」
「歩けないー……」
相変わらず先輩はフラフラして今にも倒れそうだった
「たけるぅ…」
「………わかりましたよ……」
ちょっと人の目とかも気になったけどこんな中途半端な時間じゃみんな帰ってるか逆にまだ残ってるかのどちらかだろ…
そう思って先輩のカバンを肩にかけて先輩に背を向けてしゃがむとずしっと背中に先輩が乗ってきた
軽いなぁ………たぶん美香よりも軽い………
あ…先輩の家に連れてった方がいいよな…
先輩は少しもぞもぞして居心地のいい位置に移動してた
俺のうなじの辺りに顔を埋めている
「ふふふ……たけるのにおいがするぅ…」
「……恥ずかしいからあんまり嗅がないでください」
「いいにおーい…」
先輩は半分眠った声のまま鼻を首に押し当ててきてちょっとくすぐったかった
………かわいいから許すけど……
そんなときに頬付先輩の言ってたバニーコスプレの事を思い出した
すりすりと幸せそうに頭をすり寄せてくる先輩とバニーのコスプレで腰をくねらせる先輩が重なる
もし…テストで平均が95点で一位だったら……
でもハッとして頭を振った
いや…そんなことのために勉強するわけじゃなくて……
別に…ベストは尽くすけど……
顔が一気に熱くなった
あーもう……テスト…がんばろ……
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