362 / 1015
バレンタイン戦争
そのまま廊下に立ち尽くしていた
後ろでヒュ~っとはやされるのも気にしなかった
……俺に…?
「へぇ~まなチョコレート貰ったんや?」
「!?」
ボーっとしてるとすぐ横から声を掛けられてドキッと心臓が跳ねた
言わずとも銀だった
あれ…?なんか機嫌悪い…?
いつもの笑顔だけど銀は機嫌が悪そうだった
「さっきのおかっぱの子から貰ったん?」
「……?…そう…だけど…」
「ふーん…?」
「………?…」
「まな、あのポニテの子の方がタイプやろ?」
「なっ!?」
「せやろ?」
「……………」
「ほら」
「…うるさい……」
銀はふ~ん?っと意味深に笑いながら教室に入って行った
な…なんだよ……
「あ♥銀くん!!Happy Valent…」
「うっさい、いらん」
「も~銀く~ん♥」
「いらん、触んな」
遅れて教室にはいるとクラスのやつに茶化された
周りを囲まれていろいろ言われたりなにを貰ったか聞かれた
「でもあれだろ、杉田彼女いるしさ!!」
「あぁ!!あのキスマークの彼女な!!」
「貰ってよかったのかよ?」
「……え…?」
「だからおまえ彼女いるんだろ?なのにチョコレート貰ってよかったのかよ?」
「……………」
さっきちょっと不機嫌だった銀を思い出した
あ、れ…?
「あーあ、彼女に怒られてもしらねー!!」
「リア充爆発しろ!!」
「……………」
その箱を持ったまま立ち尽くす
窓際の自分の席で外を眺める銀が見えた
きっと今の会話は銀にも聞こえてると思う
あ……俺…しくった…?
ともだちにシェアしよう!