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大人な彼
3月9日
いつも通り平日で学校があっていつものメンツでいつもの場所で昼ご飯を食べてた
そんなときに健斗が口を開いた
「猛!!明日猛お誕生日だね!!」
「覚えててくれたんすか?」
「当たり前じゃん!!!お祝いするね!!!楽しみだね!!!」
「ふふっ、先輩が楽しみなんすか?」
「猛楽しみじゃないの?」
「今楽しみになりました」
「本当?わーい!!」
………相変わらずのバカップル…
健斗はうふふって笑って楽しそうだった
「へぇ~猛明日誕生日なん?」
「16になります」
「ふ~ん?」
あんまり興味のなさそうな声で銀が尋ねる
しっかりしてるから忘れがちだけど猛って後輩なんだな…
改めてそう思った
いっつもセットの健斗が幼く見えるからって言うのもあるけど猛はやっぱり大人びてるし落ち着いてる
……無駄に外見だけ大人っぽいどっかの誰かにも見習ってほしい…
そのどっかのだれかをちらっと見るとにんまりした顔でこっちを見てた
「あ、せや、じゃあ今日買い物行こか、まな付き合って?」
「ひ、一人で行けよ!!」
「え~ええもん買ったるからぁ~お願い?」
「お前にとっての良い物だろ!!誰が行くか!!」
「だめ、来てくれないとちゅーする」
「は、はぁ!?」
銀がすでに無駄にいい笑顔で俺の返事を待っている
これを断れないのを俺はよく知ってる…
…そう言うとこが子供っぽいって言ってんだよ!!
銀がニヤッと笑いながら俺に近付いてくる
「なー、まな?来るやろ?」
「………」
「来ないん?じゃ、ちゅー…」
「……行く…」
「ふふっ…」
結局負けてしまった…
猛が苦笑いしてこっちを見てる
猛と健斗のとこはなんか円満そうって言うか幸せそうって言うか…とにかく「こんなの」に悩まされることもないんだろうな…
……………「そんなの」と付き合ってる俺も俺だけど…
勝手に一人で惚気て顔が熱くなった
…って言うかこいつ…離れろ!!
「ぎん…いい加減離れ…」
「ふふー、まーな?」
「!?キスしない!!」
「……ちぇ」
危ない…キスされるとこだった…
銀の顔を押しのけてホッとする
過去の記憶に助けられた…
「う~ん…猛誕生日なぁ~何がええかなぁ…」
「そんなの買いに行ってから決めたら…」
「ふふっ…」
「!!」
一安心して返事をしたら唇を重ねられた
慌てて突き飛ばす
「あーあ、まな甘いなぁ…」
「銀!!」
「隙がある方が悪い」
「…………」
銀が満足そうに唇を舐める
ニヤニヤ笑った顔に腹が立った
「もう!!ホントに猛のプレゼントしか買わないからな!!」
「聞こえーん」
「銀!!」
「あ、あのお構いなく…」
耳をふさぐ銀と俺の様子を見て猛がおずおず言った
やっぱり猛の方が銀の何倍も大人!!
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