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あれだれ…?

……だれあれ… とぼとぼ一人で猛の家に向かって歩く 一人でさっきの事を思い出して悲しくなった 「猛さん!!お久しぶりです!!」 にこーっと笑って、身長も高くて、かっこよくて、猛みたいに金髪の男の子が嬉しそうに猛に会いに来た 猛はそれが誰だったのかおれに教えてくれなかった… おれ…彼氏なのに… しかもその子は昔から猛と知り合いみたいだった 「お疲れ様です!!」 「……若葉…」 「うす!!」 しかも下の名前で呼ぶし… おれもまだ下の名前で呼んでもらってないのに… 「先輩…スンマセン、今日先帰っててくれませんか?」 「え……でも…」 しかもおれに帰ってとか言う… なんで?その子とどこ行くの? でも猛がすぐ帰ってくるって言ったから言う事聞いた… 猛のこと信じてるもん… なのに… 猛は来なかった… 駅でも1時間待ったのに来ない… なんで…すぐって言ったじゃん… 猛は猛の家についても、しずちゃん先輩たちとお話ししてても、一緒にお料理してても帰ってこなかった 「……んうー…たけるぅ…猛まだぁー……」 「う~ん…もうすぐ帰ってくると思うんだけど…」 「うー…たけるぅ…」 「……?健斗さんもしかして眠いの?」 「…んーんー…眠く、ない…」 「でも…健斗さんフラフラして…」 「眠くないー」 …ホントは眠い…でも猛と唐揚げ食べるまで寝ないもん…… それで猛にもう一回あれ誰?って聞くんだ… そしたら猛だってきっと教えてくれる…もん… 「健斗くん、布団敷いてあげるから布団で寝たら?」 「…むー……」 「ほら、猛の隣に布団敷いてあげるから」 「………んー…」 でも結局猛は帰ってこなくて意識が朦朧としてきた… あ…でもここ猛の匂いする… そこに顔をすり寄せる 猛……たける……

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