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認めねーッス!!
じーっとおれの対極にいるひょろひょろでちゃらちゃらした男を睨み付ける
あいつが猛さんの腕にしがみついて離さないからオレもそうする
あの後猛さんにこの間話した公園まで連れてこられた
おれはこんな奴絶対認めない…!!!
「……はぁ…」
猛さんが目をつぶってため息をつく
ほらちんちくりん!!猛さん困ってんだろ!!
じろっとちんちくりんを睨み付けるとちんちくりんはむっとした表情をしてからベーッと舌を突き出した
「……やめてくださいよ…先輩も…若葉も…」
先輩!?
今猛さん先輩って…そんな…!!
「!?、猛さんこんな奴の事先輩なんて呼んでるんですか!?もしかしてこいつの下なんかについてるんスか!?」
こんなちんちくりんのチビの下に!?
そんなのおれゆるせねーッス!!
ちんちくりんはへらへらしててとても猛さんの先輩には見えなかったし、猛さんが先輩と呼ぶほどの相手にも見えなかった
「別に下についてるとかそういうあれじゃ…」
「じゃあなんなんスか!!昔は年上の奴らにも猛さんなんて呼ばれる側で先輩なんて呼んでなかったじゃないッスか!!」
「それは別に意図したことじゃないしあいつらとは別に話す機会もなかったからで…」
「そんなの関係ないっすよ!!なんでそんな丸くなっちゃったんスか猛さん!!」
そうッス!!猛さんは中学のおれが入学した時にはすでに学校のトップで…売られたケンカは必ず買って負けなしだったじゃないッスか!!
年上からも猛さんって呼ばれて…そんな風に尊敬されても鼻にかけたり威張ったりしないで…なのに…
入学したてのおれが3年の先輩3人に絡まれてた時も「当たり前のことをしただけだ…」って助けてくれて…
ずっとクールで硬派で…なんだかんだ言っておれ達に優しくて、おれたちのあこがれだったのに!!!!
どうしちゃったんスか!!!
「…猛……猛…」
猛さんがちょっと困ったような表情をしてたら突然ちんちくりんが猛さんの制服の袖を引っ張って猛さんを呼びだした
猛さんを呼び捨て!?
ちんちくりんへのイライラが大きくなる
「おい!!ちんちくりん!!!猛さんの事呼び捨てにするな!!!」
「ちんちくりんじゃないって言ってるじゃん!!!そっちだって女の子みたいな名前のくせに!!!若葉ちゃんだ!!!」
「わかばちゃっ!?女の子みたい!?このやろ…」
「うっさい!!若葉ちゃん!!」
「ッ~~~~~!!!!」
人が気にしてることを…!!
おれは小さいころからずっとチビだし細いし色も白いし力もなくてしかも『若葉』なんて名前のせいで小学校のころからずっと『女の子みたいだ』とか『若葉ちゃん』とか言われて馬鹿にされてきて…
だからおれは男らしくてカッコいい猛さんにあこがれて今みたいになった
………正直まだケンカはそんな強くない…けど…
それはこれから強くなるし!!筋トレ頑張ってるし!!……いっこうに筋肉付かないけど…
ちんちくりんに殴りかかろうとしたところを猛さんに抑えられる
まだおれは猛さんが余裕で片手で止められるくらいの力しかないのかとちょっと悲しくなる
「何で止めるんですか!!猛さん!!」
「落ち着けって……」
「なんでおれだけなんですか!!」
「ぶー!!若葉ちゃん怒られてる!!」
「なっ!!」
「先輩!!」
猛さんがはぁ…っとため息をついて頭を振る
あのちんちくりんは猛さんの影に隠れながらおれにベーッと舌を突き出してた
おれはあんなのが猛さんの先輩なんて…絶対認めないッス!!
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