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大事な後輩

あの後若葉が目を覚ますまで介抱してやった 若葉は目が覚めても先輩が言ったこと思い出しては顔を赤くして「う…ぁ…」とか言って珍しくおとなしくしてた さすがにこれで若葉も来ないだろうと安心してた けど… 「猛さん!!お疲れ様です!!」 「!?」 「!?」 若葉は次の日もその次の日も学校に来てオレや紺庄先輩に付いてきた 「若葉…オレ紺庄先輩と付き合ってるって言ったよな…?」 「それとこれは別ッス先輩には須王と…」 「ケンカはしないって言ったろ……」 「ダメッス!!」 そうやって若葉は毎日毎日オレのところに来ては同じような会話を繰り返した 毎日放課後に学校まで若葉が来て、近所の公園でオレにケンカしてくれと若葉が頼んで、オレがそれを断って、若葉と紺庄先輩が言いあうのを止めて、そして暗くなってきたころに若葉が「諦めませんからね!!」って怒りながら解散する そしてそんな生活を続けて2週間ほどした日… 「……た、けるさ…ん…」 「若葉!?」 「若葉ちゃん!?」 若葉がなぜかボロボロになって学校の前まで来た 足を引きずって、顔中あざや切り傷擦り傷まみれで右手で左の腕を押さえてつらそうにゼェゼェ息を吐いている 通り過ぎる生徒がざわざわして好奇の目で若葉を眺める 「お疲れ…さま、で…す…」 若葉はオレを見つけると辛そうな顔をゆがめて嬉しそうに笑った ふらふらっと若葉が揺れて体が傾ぐ 「若葉!!」 「…………」 気を失って倒れてしまった若葉を受け止める 若葉は「うぅ…」っと顔をゆがめて唸った 制服もところどころ破れて痛々しかった 「……若葉ちゃん…」 紺庄先輩も不安そうな表情で心配している とにかく運ばないと…

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