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ケンカはもうしない…
「……スイマセン…」
「……若葉ちゃん…」
「…若葉ちゃんじゃねーです…」
いつもみたいに学校まで来た若葉ちゃんはボロボロでさっき猛と一緒にいつもの公園まで運んできた
今はベンチに横にして猛が近所の薬局で買ってきた薬とか湿布で手当てしてる
若葉ちゃんは体のいろんなところが青くなってて血も出てて痛そうだった…
「若葉ちゃんなんでそんなボロボロなの…?」
「……………」
「若葉?」
若葉ちゃんはぶすっとしてたけど猛が聞くと口を開いた
「……須王にやられました…」
「…………」
「…………」
若葉ちゃんが悔しそうに言う
須王って確か前若葉ちゃんが言ってた不良の人だ…
猛が初めてケンカした相手で美香ちゃんと洋太君に絡んでたって言うやなひと…
若葉ちゃんはその人とケンカして負けたらしい
「……アイツら卑怯なんス…寄ってたかって数人相手に大人数で……」
「………」
「猛さん…」
「………」
猛は難しい顔をして黙ったままだった
若葉ちゃんがちょっと悲しそうな顔をする
「……猛…?」
「……………」
猛はまだ黙ってる
「…猛さん……」
「………もう…ケンカはしないから…」
「…………」
「……猛…」
「……そう…スか…」
そう言うと若葉ちゃんはよろよろと立ち上がった
まだふらふらしてて痛々しい
「……若葉…」
「……失礼…します…」
若葉ちゃんは猛が止めるのも聞かないでそのままいなくなってしまった
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