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若葉ちゃん

不良の人たちに連れてこられたのはどこかの廃屋?みたいなのがたくさん固まってるところだった でもおれはそんなとこに連れてこられても危機感を感じずカッコいいなぁなんてのんきな事を思ってた 「ねぇねぇ、まだ行くの?」 「あぁ…」 「どれぐらいでつくの?」 「もうすぐだよ…」 「猛はいつ来るの?」 「あぁ!?ったくうるせーな…黙ってろよ…」 「ご…ゴメン…」 ちょっと怖いなって思ったけどでも不良ってこんなものなのかも、とか思ってるだけで全く警戒しなかった… 猛が来るって聞いて安心しきってたんだと思う… しばらく廃屋を進んだところで不良の片方が奥の方に向かって声を張り上げた 「須王さーん!!吉田の彼氏、連れてきましたよー!!」 「…?」 須王? 須王…須王ってどっかで… そんな事思って首をかしげてたら奥のほうからたくさん不良が出てきた すごいすごい!!ごく○んみたい!!! 見んな猛の友達なのかなぁ!! 目をキラキラさせて喜んでたら奥からなんか偉そうな人が出てきた か…カッコいい!! そしたらその人が喋った 「お前が吉田の恋人だって?マジで男なのか…」 「そうだよ?」 「この人数いてビビらないのか」 「?ビビる?なんで?」 「…馬鹿なだけか…」 周りでくすくす笑い声が起きる なんか馬鹿にされたみたいで…ちょっとやな感じ… 猛まだかな… 周りをぐるっと見回すると猛じゃなくて別の人を見つけた 「若葉ちゃん!?」 「………そんな風に呼ぶなよ…ちんちくりん…」 「若葉ちゃんだ!!」 周りにいた人の中に若葉ちゃんがいた パァッと顔が明るくなる 怪我も治ってる…良かった!! でも若葉ちゃんはぷいっとそっぽを向いてばつの悪そうな顔をしてた ……若葉ちゃん? 「ねぇ若葉ちゃん、後で猛も来るって!!猛、若葉ちゃんの事心配してたから喜ぶよ」 「…………」 「この人たちは若葉ちゃんの友達?みんな猛知ってるんだね~」 「……それは…」 「?」 若葉ちゃんが一瞬何か言おうとしたけどなぜか苦しそうに顔をゆがめ唇を噛んでうつむいてしまった どうしたの若葉ちゃん? まだ元気ないの? 不安になって若葉ちゃんの顔を覗き込もうとしたら後ろから声がした あの偉そうな人だった

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