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猛のために

怖い…怖い怖い… 椅子に座らせられて縛られて身動きが取れない状態で怖い人に囲まれて… 猛… 「たけ…るぅ…」 「えぇ!?たけるぅ…だって、あはははは」 「…っグズ…うぇ…猛…たけるぅ…」 体を揺らしても手足を縛ってる縄は解けない 余計に周りの人たちを喜ばせるだけだった 怖いよ…何されるの…? そしたら今度はあの偉そうな人がスマホを持っておれのとこに来た 「ほら、吉田に電話してやるよ」 「……たける…?」 ひひっと笑ってスマホで電話を掛けてる たける… 「おー?吉田ぁ?」 「!!」 猛が出たみたいだった 偉そうな人がスピーカーにしたみたいで猛の声が聞こえる 『………須王…』 すごく機嫌の悪い時の声だった 「お前悪趣味だなぁ…」 『………』 「男なんかと付き合う趣味があったなんて知らなかったぜ?」 『………先輩…?』 「おら、喋れよ」 「…………」 口の前にスマホを持ってこられた 猛…たける… でもおれが喋ったらきっと猛はここにきてケンカしないといけないんだ… あんなにケンカしたくないって言ってたのに… グッと唇を噛んで声を出さないようにする おれも猛がケンカしてるのなんて見たくない… 「あぁ?おい、喋れって行ってんだろ!!」 「……ッ!!」 グイッと髪の毛を掴まれて引っ張られる 涙が出るほど痛かったけど我慢した 偉そうな人はおれが喋らないからイライラしてるらしい 足をダンダンと踏み鳴らしている 「チッ、ちょっと待ってろ!!」 イラついた調子で乱暴に電話を切ってこっちにすごい形相で睨んできた 涙が出てくるけどギュッと唇を噛んで睨み返す 「お前が喋らないのが悪いんだからな?」 「!!」 そう言うと偉そうな人はおれの服に手を掛けてビリッと制服を破いた 胸がすーすーする でもそんな事より何されるのかわからなくて怖かった 偉そうな人が指示すると何人か男の人が出てきてオレの体をべたべた障りながらブレザーや破れたシャツを脱がされる 気持ち悪い… そう思ってたらベルトを外されてズボンまで脱がされてしまった 「やっ!!やだ!!」 「ぶっ、パンツひよこ柄だぜ?」 また笑われたけどそれどころじゃなくて気持ち悪かった パンツにも手を掛けられる 見られる…!! 「ま、待ってください!!」 「!!」 ギュッと目をつぶって覚悟したら誰かの声がしてその人たちの手が止った 「猛さ…よ、吉田が来るまでそいつに何もしないって言ったじゃないですか!!」 目を開けると真っ白な顔の若葉ちゃんがいた

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