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似た者同士
「ヒッ…逃げろ!!」
「くっそ…誰だよ人質から離れた奴はよぉ!!」
須王の取り巻がぐてーっと伸びてしまった自分の仲間をかついで走って逃げていく
……ざまあみろ…
はぁはぁと肩で息を吐く
今日ばかりは体が頑丈で良かったと思った
さすがに痛みはあるけれどじっとしてたおかげでさほど深く傷ついてる感じはしなかった
きっと休めば動けるようになるはず…
そう思って仰向けに体を転がした
「猛っ!!」
「猛さん!!」
そっちに首を巡らせると殴られて腫れた顔を心配そうにゆがめた若葉と泣いたせいで目を真っ赤にした先輩がいた
先輩は若葉の学ランを羽織ってる
…………ノーパンで学ラン…
頬付先輩がにやにやしながらムッツリって言う声が聞こえた気がした
直視できなくて目を覆う
目に毒だ…
「たけるっ!!たけるっ!!」
「猛さん!!猛さん!!」
二人が大げさに騒ぎ立ててオレの体にペタペタと障りながら大騒ぎする
なんか……犬みたい……
昔ペットショップで見た尻尾がくるんとしている柴犬とちょこんとしてふわふわなポメラニアンを思い出した
「……大丈夫ですって…」
「でも!!たけるぅ…」
「………」
そう言ってわぁっと紺庄先輩がオレに抱き着いてきた
自分の事だったかのように泣く
ちょっと体が痛んだ
「ごわがっだぁぁぁぁぁ!!!!!」
「………スイマセン…」
「うわーん!!」
どうしたらいいかわからなくて背中に手をまわすと余計泣くだけだった
「たけるさぁ…ん」
「若葉…」
若葉が情けない声を出す
若葉の顔を見ると若葉まで目に涙をいっぱい溜めてぐじっと鼻水をすすってた
「猛さん、すみませんでした…!!」
「…………」
「オレ、猛さんがケンカしてくれなくて他の奴らが猛さんがビビってるなんて言い出したのが許せなくて…ケンカしてほしくて…それで…」
「…………」
「なぐっでぐだざいぃぃぃぃぃぃ」
若葉まで紺庄先輩と一緒になってオレの首にしがみついておいおい泣きだした
この二人ちょっと似てるな…
二人ともわんわん泣いてどうしたらいいかわからない
「………二人とも…取りあえず帰りましょうよ…」
「うぅぅ…たけるぅ…」
「たけるさぁん…」
二人はまたオレの首にしがみついて泣いた
そのうちオレの体も回復してきてまだいろいろ痛む部分もあったけれどもうそろそろ動けそうだった
体に力を入れて上半身を起こす
「ほら、二人ともたって……」
「猛!?」
「猛さん!?」
そう言って足に力を入れて立ち上がったところで突然平衡感覚が働かなくなってぐらっと体が傾いた
先輩と若葉の顔が斜めに見えてとたんに眠気が襲って意識が遠くなる
あ…ダメだ……
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