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わんこ

「………ん……」 「お、猛起きた?」 「………………」 まぶしい… 手で影を作ると相変わらずニヤニヤしてる頬付先輩の顔が見えた あれ…オレ… 「ほんっと迷惑なやつ、あ、まだ寝とき」 「オレ…」 「ヤンキーにリンチされて、倒れて、健斗が泣きながらオレとえっち中やったまなに電話して来て、まなとのえっちが中断された挙句まだ夜冷えるって言うのに外に呼びだされてさらにお前かついで家まで運ばされたんやけど?」 「………スンマセン…」 「ほんまにやわ…せっかくまながデレ8ツン2ぐらいの割合やったのに……」 はぁ…っと頬付先輩がため息をついて立ち上がった 体は頬付先輩が手当てしてくれたらしく湿布やガーゼが貼られていた 「ほら、健斗と……なんやっけ?…四葉?猛起きたで」 「ほんとっ!!」 「若葉ッス!!」 そう言ってバタバタとお互い押し合いへし合いしてオレの寝てるソファまで若葉と紺庄先輩が来た 二人とも目元が腫れてる 「猛!!大丈夫痛くない?ごめんね…」 「猛さん!!本当申し訳ないッス…」 紺庄先輩が目をうるうるさせてオレの手をきゅっと握って若葉もしゅーんして言った ………やっぱり犬っぽい…… 「なんや…わんこか…そいつら猛のペットかなんかか」 「彼氏だよ!!」 「舎弟ッス!!」 「ほら、わんこっぽい…」 「………」 「あ、あと猛水な」 「……ありがとうございます…」 頬付先輩がめんどくさそうな顔をして水を持って来た なんだかんだ言って優しい… どうやらオレのけがはオレ自身が思ってたよりもひどかったみたいでかろうじて骨は折れてないものの捻挫や打撲や切り傷擦り傷いろいろすごかったらしい 紺庄先輩と若葉はとりあえず頬付先輩のふくを着てたけど二人ともなんかすごいだぼだぼでそれを無理やり折り曲げて着てた 紺庄先輩なんて頬付先輩のロンT一枚だけ着ていた 「家には電話しといたから、もう終電ないし…しゃあないから泊まっていき、そのかわり明日掃除と朝ごはん作ってな、あとわんこの世話もちゃんとしといてや」 「わんこじゃない~!!」 「わんこじゃないッス!!」 そう言うと頬付先輩は早々とリビングを出て行ってしまった 多分部屋に学さん待たせてるんだろ… まだ二人は心配そうにオレを見てる 「………大丈夫ですよ先輩…若葉も…」 「でも……」 「ほら先輩夜更かしして眠いんでしょう?早く寝ないと明日起きれないですよ」 「…………」 「せっかく頬付先輩布団敷いてくれたんですから、寝てください?」 「……猛と寝る…」 「…え」 そう言うと紺庄先輩はオレのいるソファに掛布団を引っ張ってきてのぼった 「えぇぇ!!ちんちくりんだけズルいッス!!オレも一緒に寝ます!!」 「え!?」 そう言って若葉までソファに登ろうとしてきた さすがに頬付先輩の家のソファがいくら広くても3人で寝るのは無理があった 「ちょ…ちょっとまて…」 その結果… 「へへへ…修学旅行みたいだね」 「オレ修学旅行行ったことないッス!!」 「……お前の中学修学旅ないだろう……」 2枚の布団に3人で寝ることになった… 右側に紺庄先輩左に若葉がいる ため息が出た 「まくら投げしよー!!まくら投げ!!」 「オレトランプしたいッス!!」 「良いから二人とも寝ましょうよ!!」 そうやって二人ともはしゃいで騒いでたけどすぐに口数が少なくなって寝息が聞こえだした オレも眠くなってくあっとあくびが漏れる 「んんん…たけるぅ…」 紺庄先輩が寝言を言いながらすり寄って来た ふわふわの紺庄先輩の髪の毛を撫でる 柄でもなく胸の奥がキュウッとしてあらためて好きだと思った 「………好きですよ…先輩…」 軽く先輩の額にキスをした その後オレもすぐ眠ってしまった

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