400 / 1015
一番大事
4月1日
こうしていろいろあった3月も終わって4月になった…
そして…
「健斗くんお誕生日おめでとー!!!」
「わぁ!!ありがとう!!!」
紺庄先輩も17歳になった…
目標は身長を170cmにすることらしい…
今はなぜかオレの家でいろいろあってしっかり祝うことができなかったオレの誕生日と一緒に祝っている
しかも……
「健斗さんおめでとうございます!!」
「わぁ!!若葉ちゃんもありがとー!!」
何故か若葉まで来てた…
相変わらずぺかぺかしたいい笑顔で言う
「なんでお前はいるんだ……」
「猛さんの大事な恋人の誕生日ッス!!来ないわけにはいかないッス!!」
いつの間にか紺庄先輩と若葉は仲良くなったみたいでなんだか複雑な気分だった
「いいじゃない猛、私猛にこんなホモホモし…かわいい後輩がいるなんて知らなかったわ」
「そうだよ!!なんでこんなホモホモし…かわいい後輩がいるって教えてくれなかったの!!」
「…………」
姉貴と美香も若葉の事が気に入ったみたいで若葉と紺庄先輩に甲斐甲斐しく世話を焼いていた
「もっと早く言ってくれたらこのあいだの即売会に間に合わせたのにね~」
「ね~」
「たけ兄と辻君も良いけど健斗さんと辻君でもいいわよね」
「私もう3Pでいいわおいしい…」
「………?」
「………?」
若葉と先輩はきょとんとした顔で姉貴たちを見てた
あれから須王たちはひっそりして若葉たちには絡んでこなくなったらしい
まぁそれ以外にはまだ大きい顔してるらしいけどオレにはもう関係のないことだった
あんな奴ら勝手に調子づかせとけばいい、そのうちやりすぎて警察にでも世話になってじゃないと気づかないだろう
それでも気づかないかもしれないけど…
また先輩や洋太や美香に火の粉が降りかかるようならケンカもするかもしれないがもうオレはそれ以外でのケンカはしない
改めて殴られるのは痛いってわかったし…痛いのやだし…
まだ湿布が貼られてる腕を撫でた
「猛?腕痛いの?」
「あ、いえ、そう言うわけじゃ…」
「じゃあ食べさせてあげる!!はい、あーん…」
「っや、あのせんぱい…」
オレを心配してくれた先輩が箸で唐揚げを摘まんでオレの口元に持ってくる
若葉が顔を真っ赤にして手で顔を覆って指の間からこっちを見て、美香と姉貴がにへにへと女子にあるまじき顔でスマホをこっちに向けてるのが見えた
「あ、あの…先輩…ここでですか……」
「?あ、エビフライがいい?じゃ、あーん…」
「…………」
「あ、あ、落ちちゃう…猛早く!!」
「あ、あーん……」
仕方なく目をつぶって先輩が差し出したエビフライを食べた
カシャシャシャシャって連射する音と若葉と洋太がキャーなんて言う声が聞こえた
………恥ずかしい…
でも先輩は満足そうだった
「あ、若葉ちゃんも腕怪我してるからあーん」
「あ、マジッスか?じゃ、あーん」
……………ジェラシー……
でも紺庄先輩が楽しいなら良いいかと思えるから不思議だった
「はい、猛もう一回あーん」
「はいはい…」
「むっ…そう言う言い方するならもうあげない!!」
「………すいません…」
「いいよ!!はい、じゃ、あーん…」
やっぱりオレには紺庄先輩が一番大事…
【猛の後輩編 おわり】
ともだちにシェアしよう!