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オレの大事な人
「っ!!ぎんっ!!」
「!!」
「?」
ビックリした
ごきげんなまなと一緒に校門を出たら女の人に声を掛けられた
「………しずか……?…」
「…………」
昨日の今日で静香の話をした次の日に静香に会うなんて…
もう3年ぶりやった…
静香が嬉しそうに微笑む
まなはひきつった顔でオレの体の影から静香を見つめてた
静香が目を潤ませ感激したと言わんばかりの表情で近付いてくる
「銀…久し、ぶりね……」
「………せやな…」
「……………」
オレの前まで来て静香がうつむいてそう言う
オレもそうとしか返せなかった
「まだ関西弁のままなんだね…」
「………まぁな…」
「……………」
そんな短い会話が続く
まなが掃除当番やったおかげで帰るのが中途半端に遅くなって人通りが少ないのが救いやった
「………なにしにきたん…?…」
「……その、銀に…会いたくて…それで…」
静香はオレに何か言って欲しそうにもじもじしたりオレの後ろにいる学の方にちらちらと目をやって待っている
きっと二人で話がしたいんやろうけどまなかて不安らしく家でもないのにオレに体をくっつけてきゅっとシャツの裾を握っている
ため息を一つついた
「……じゃあ…場所、変える?」
「うん…」
静香がぱぁっと顔を輝かせる
まなはそれとは反対にオレの背中にぎゅーっと顔を押し付けていやいやってするみたいにぐりぐりと首を振ってオレの背中に自分の頭を押し付けながらオレのシャツの裾をぎゅーっと引っ張った
大丈夫…大丈夫やから…
服の裾を引っ張るまなの手を強く握ってやる
するとまなもきゅっと不安そうに握り返してきた
「え、っと…その子は…銀のお友達……?」
「こいつも連れてくから」
「え…でも……」
「オレの…大事な人やから…」
「………そう…」
そう言うと静香は少し悲しそうな顔をしたけどそれ以上は何も言わずについてきた
相変わらず綺麗な人やった…
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