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静香さん
「静香さん…静香さん……」
駅の近くで人通りの多い時間なこともあって結局静香さんを見失ってしまった
人の多い通りでキョロキョロしながら静香さんを探す
「や、やめてください…」
「え~でもこんなとこでそんな良いカッコして泣いてるってぇ~やっぱりそう言うの待ちってことだよねぇ~?」
「ち、違います」
小走りで駅の近くの公園の横を通り過ぎようとしたときにそんな声が聞こえた
静香さん…?
木の影からそっちを覗くとベンチに座ってる静香さんの手をチャラチャラした感じの男の人が強引に引っ張ってるのが見えた
静香さんは困ってて嫌がってた
「や、め…ろ!!」
「あ…」
だからなんだかとっさに体が動いてそう言ってしまった
静香さんが俺を見て気まずそうにする
「はぁ?」
チャラチャラした人はそう言って俺を睨んできたけど……なんか…あんまり…怖くない…かも…
その時銀がニヤッと笑ってる顔を思い出してゾクッとした
………銀の方が怖い…
「チッ、連れがいんのかよ…白けた…」
そう言ってチャラそうな人は結構あっさり諦めてくれた
「あ…あの…ありがとう…えっと……まなちゃん…?」
「!!……まなちゃ……」
「あ、ごめんなさい…その…銀が呼んでたから、つい…ま、まなぶちゃん…く………さ、ん?」
「いや…大丈夫です……」
そう言って何となくそのベンチに腰を下ろすと静香さんも隣に腰を下ろした
…………き…気まずい…
そう言えば何話すとか決めてないし…勢いで来ちゃったし…し、静香さんは…きっと…俺と一緒とかいや…だろうし…あれ?なんかこうやって来たりしたらい、嫌味っぽい…?
あれ?わかんない…
グルグルしてたら隣でクスッて笑う声が聞こえた
そっちを見ると静香さんがくすくすと手を口に当てて笑ってた
「え…あの…」
「あ、ごめんなさい!!…あんまりまなちゃんの表情がくるくる変わって面白いから…」
「…………よく言われます…」
「あ、あの、さっきちゃんと話せてなかったから…あの白井静香です」
「あ、杉田学です…」
静香さんはすごくいい人だった
かわいらしくて女の人っぽくてそれでいてどこか親近感が湧いた
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