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えっちしてもええ?
「……銀?…」
「…………」
銀はずーっと俺を抱きしめてた
背中が反ってそろそろツラくなってきたときに声を掛けてみたけど銀は身じろいで俺を抱きなおすだけで何も言おうとしない
「……どうしたの?…」
「…………」
俺に言えないような事なんだろうか…
静香さんは知ってて俺はダメなんだろうか…
しゅーんとしてしまいそうになったのをハッとしてやめる
銀、聞いてくれない方が傷つくって言ったし…聞いたら教えてくれるって言ってた
「…………」
「…………」
銀はまだ何も言わない
もう何分もこうしたままな気がした
でもしばらくして銀は結構あっさり何の前触れもなく俺の体から自分の体を離した
なのに銀はじーっと俺を見るだけで何も言わない
………どうしよう…銀の考えてることがわかんない…
「………銀…?」
「………」
銀は何も言わずにクルッとそっぽを向いて歩きだそうとした
「ね、ねぇ…銀…?」
「……なぁ、まな…?」
「は、はい?」
突然銀が止って喋ったりするから敬語になってしまった
お、俺…間違ってないよな…銀が聞いてくれって言ったんだし…
「………」
「………」
でも銀はそこから何も言おうとしない
何かを一生懸命考えてるみたいだった
「なぁまな…」
「な、なに?」
銀がやっと口を開いた
…と思ったらクルッと踵を返して再度つかつか俺に向かって来てがばっと抱き着かれた
なんか…銀おかしい…?
「なぁ…」
「な、なん、だよ…」
「………えっちしてもええ…?」
「は、はぁ?」
銀は突然そんな事を言いだした
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