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いきなり止まるな
「………えっちしてもええ…?」
「は、はぁ?」
銀が突然そんな事を言いだした
「なぁ、まな…ええ?」
「え、やっ、そんな、の…いつも聞いてな…」
「ダメ…?」
銀が突然しゅーんとしだして焦る
な、んか…調子狂うな…
「あっ、っや…その…ダメ…とか、そういうんじゃ…」
「………」
「えっ、なっ、なに!?」
「我慢できん…」
銀は俺がダメじゃないって言った瞬間俺の手を掴んで逆の手で俺と自分の分の鞄を掴んで早歩きでどこかへ向かいだした
「ぎ、ぎん…駅…反対だけど…」
「せやから…我慢できひん…」
銀にとっては早歩きでも俺は銀よりリーチが短いわけで…そんなに銀がぐんぐん歩いて行かれると結構ついて行くのがしんどい
ましてや手握られたまま…だし…
ボッと顔が熱くなった気がした
手……手…ぐらい…つなぐし…
でもそんな風にテレテレしてたら突然銀が止ったりしたから銀の背中に顔をぶつけた
「って…ぎ、ん…いきなり止まんなって…」
「…………」
「え、なに!?」
しかもいきなりもともと人気のない通りのさらに人気のない路地裏に押し込められたと思ったら銀は俺の制服に手を掛けてブレザーを脱がしてさらにネクタイまで解きだした、銀はもともとブレザー着ないけどもうネクタイを解いている
「ぎ、銀!!ちょ…いきなり…と、止って!!!」
「ダメ」
「や、こんなところで…っや、ヤダ!!」
そう言ってぎゅって目をつぶったところでスポン!!っと銀に何か着せられた
ビクビクしながら目を開ける
「……?…」
「ほら、行くで」
「ぎ、ぎん?なにこれ?」
「何って、制服やったら入れんやろ?ラブホ」
着せられたのは銀が寒い時に着てる学校指定じゃないカーディガンだった
確かにネクタイしてなくて上半身だけなら私服っぽい…けど…
らぶほ…
ボッとまた顔が熱くなった
ぎ…銀と…ラブホ…
実は銀とラブホに来るのは初めてだった
実際内海先輩と来た2回だけだし…
ちょ…ちょっと…なんか…大人…?
さっき銀の様子がおかしかったことなんてすぐ忘れてそんな風に思ってた
銀もまたいつものヤリたがりのせいなんだろう…って…
けど俺がそんなおめでたくテレテレと自分の事ばかり考えてた時、前で早歩きする銀はクシャっと顔をゆがめていたんだ……
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