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あなたに必要な事なら…
「まな…まな…」
銀が苦しそうに俺の名前を連呼する
そんな風にされるから俺が泣きづらくなってしまった
本当は泣いて怒ってやろうと思ったのに…
「まな、まな…まな…」
「…………」
「ゴメン…ゴメンな…」
「…………」
「ゴメン…」
「……………いいよ……」
「ゴメン……」
「もう…良いってば…」
ぎゅうっと銀が俺にしがみつく
なんだかかわいそうなぐらい謝ってくるからいつもは絶対しないのに銀の体に腕をまわしてぽんぽんと背中を撫でたりしてみた
「でも銀もう抜いて……」
「…………やだ……」
「え………」
「………ゴメン…」
銀…?
俺の首に顔を押し付ける銀の後頭部をぽんぽんと子供をあやすみたいに叩いてやるけど銀はやっぱりどこか変だった
いつもなら「あと1000回してくれたら考える…」とか言うのに…
「まな………」
「…………なんだよ…」
「好き……」
「…なんだよ……」
「………好き…」
「…………」
「お願い…えっちさせて…もうひどくしたりせんから…」
なんだか子供みたいだった
さっきと言い今と言いどうしたらいいかわからなくて余裕がなさそうで…
こんな銀初めて見た
「銀…どうしたんだよ…お前今日変だぞ…」
「………ゴメン…」
「いやさ、ごめんじゃなくて」
「…………」
銀の肩を押して顔を覗くと銀の眉間にしわが寄って苦しそうな表情だった
どうしたんだよ…ホントに…
銀がこんなになるなんてただ事ではなさそうだったけれど銀はこのままそれを聞いても言いそうにはなかった
だったら…
銀の頬を両手で包んでちゅっと銀の口にキスをする
どうしたかなんて最終的に話してくれればいい…
銀は目をパチパチしてた
「……いいよ…シテも…」
「……え…」
「したいんだろ…その…せ…せっく、す…」
「…………」
それぐらいしてやるよ…それが今お前に必要な事なら……
今度は銀が眉間にしわを寄せて眉を下げて俺にキスした
やっぱり何か焦ってるようなすがるような…怖がってるようなキスだった…
「そのかわり謝るの禁止な」
「…………」
「……ほら…ヤルんだろ…?」
「………ありがとな…まな…」
銀は眉を下げたまま笑ってもう一度キスをしてくれた
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