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子供っぽい
それからもまなは何かとオレを気に掛けてた気がする…
まなはすぐ顔に出てるからわかりやすすぎやったけど多分本人なりにさりげなーくちょくちょくオレの顔色を窺ってちょっとでもオレが暗い顔したり考え事したりしてるたびにいちいちおろおろしたり
わざとらしいぐらいに甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたり
えっちの時もたくさん好きって言うようにしてくれたり自分の事で精いっぱいやろうにできるだけオレが気持ち良くなれるようにってしてくれたりした
いつもみたいにツンツンしてないのはそれはそれで少しさみしかったけれど労ってくれてるのがわかって嬉しかった
今も…
「あ、あーん…?」
「あーん…」
まなに弁当を食べさせてもらっとった
まながやってくれるって言うからやってもらっとるだけやし?別に断る理由とかないし?
別に4時間目終わって昼飯誘われた時点でちょっとさみしそうな顔で「……うん…」って返事とかしてへんし…
あれから兄貴は特に何もしてこなかった
どっかでオレらの事を見てるのかもしれないけれどあれ以来会っとらんし、まなにも遠まわしに聞いてみたけれどそんな人に会ったって話は聞かなかった
「まな、今度はそっちの卵焼きがええ」
「…………」
「まな?」
「……お前…わざとやってないか…?」
「………わざと…そんな…」
「あ、っや…ち、違う…!!いいから!!ほ、ほら…卵焼きだろ、あ……あーん……」
「あーん♪」
「………」
今日はたまたま猛が早瀬に呼ばれてそっちで話をしながら飯を食うらしくって健斗はなんかあの…ちっこい猛の後輩の……青葉?って言うのと飯食うって言って一年の教室に行った
せやから久々に学校でまなと二人きりやった
「まな、膝貸して」
「………やっぱりお前わざとだろ…」
「しらーん」
「あ、おい!!勝手に頭乗せんな!!降りろ!!」
「……ふにふにー」
「やめろ!!」
別に警戒してないわけじゃない
毎日まなと駅までは帰るようにしとるし毎晩寝る前には電話してなって言っとる、休みの日はほとんど一緒に過ごしとった
まなはあの日自分が『あの人』の事を尋ねたせいでオレがあんな風になったとおもっとるらしくあれ以降兄貴については聞いてこない
でも時々何か聞きたそうにオレの方を見てる事があった
オレはそれをあえて無視した
正直話したくなかったし今後も話さなくていいならずっと話さずにいたい…
もう忘れて、なかったことにしたかった
「いい加減降りろ!!人が心配してやってるのに!!」
「心配してくれてたんや、うれしー」
「うるさい!!」
「なーまなー今日は昨日みたいにちゅーしてくれんの?」
「しない!!」
「えー…先週は一緒に授業もサボってくれたやん」
「あれは…!!あれは特別だ!!」
「じゃ、今日も特別ー」
「しない!!」
「けちー」
「ガキか!!」
でも知ってる
こんなこと言いながらもまなは毎日欠かさずオレを心配させないように電話してくれるし俺のために時間を取ってくれてる
先週の授業も小テストではあったけどテスト前で本当は授業に出たかったのにオレのために休んでくれたのも、それをカバーするために休み時間なんかに一生懸命勉強してたことも、このあいだの週末はあんまりノリ気じゃなかったのにオレがしたいって言うからえっちしてくれたのも知っとる…
オレはそれがわかっててさせるからひどいやつやとも思う
でもそれで安心感を得てた
昔、頬付くんは年の割に大人びててかっこよくて頼りがいもあるねっていろんな人にそう言われまくってたオレに静香が言った言葉を思い出した
静香だけがオレに子供っぽいって言って笑った
その時はそれが嫌だったけど最近それが良くわかるようになった
ほんとオレは子供っぽいと思う…
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