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昔話
「ぎん……」
「…………」
銀の家に着くなり銀は俺とつないでた手を離して自分の部屋に入って制服を着替えもしないでベットに倒れ込んでしまった
壁側に顔を向けてこっちを向かない
「…ぎん?」
「…………」
ベットの端に腰をかけてそっと銀の髪を梳くみたいに頭に触れる
銀はじっとして俺に髪を梳かれてた
「…………」
「…………」
しばらく二人とも黙ってそのままだった
「…………」
「わっ…」
そうやってちょっとの間銀の髪を撫でてたら突然銀が寝返りをうってがばっと俺をベットに押し倒した
また前の時見たくぎゅーっと俺の事を抱きしめて俺の頭に顔を押し付けている
なんだか銀の体がすごく冷たいようなそんな気がした
俺からもギュッと抱き返す
俺の胸と銀の胸が重なってとっとっとって同じリズムで動いてた
「銀…?」
「…………」
「どうしたの?」
「…………」
銀はやっぱり黙ってた
たまにもぞもぞ動いてスンスン俺の匂いを嗅ぐみたいにする
………今日、暑かったし…体育あったんだけどな……
なんてちょっと恥ずかしく思いながらもそのままにしといた
「………まな…」
「…あ…な、なに…?」
「…………」
またえっちかな?って思った
でもそれならそれで別に良かった
銀がまだ話したくないと思ってるならそれでもいいし、話したくないことを無理に聞こうとは思わなかった
銀がいつも俺にしてくれるみたいに準備ができるまで何日でも、何週間でも、何か月でも…何年だったとしても待つつもりだった
「あのな……」
「うん……?」
銀がごそっと動いて俺の顔を上に向けさせて自分と目を合わさせた
銀の目はまだ不安そうな顔をしていたけどそれでもしっかり俺の目を見てた
「あのな…昔の話ししてもええ……?」
銀はちょっとだけ苦しそうにそう言った
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