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銀のファーストキス

「なぁ~白井セーンパイ?一緒に帰ろうや~ええやん」 「…頬付クンの事好きって言ってくれる子たちと帰ったらいいでしょう?」 「え~」 「今日も部活あるの!」 「じゃあ待っとる♥」 「なんで毎日私のとこに来るのよ!!」 「う~ん先輩の事好きやから?」 「ホントに怒るわよ…」 静香はやっぱりオレに靡かんかった 今までこんなにオレを迷惑がった女はおらんかったから興味が湧いて毎日静香のところに通って、オレに靡かないこの先輩を初めての彼女にしようって決めた やからあの同じクラスのやつの告白も断ってその後きた告白やって全部断ってた 自分の思い通りに行かないことなんてはじめてやったけどそれに逆に燃えた そうして静香の好きなことや好きな物なんかをいろいろ調べたりわざわざ静香の部活が終わるのを待って無理やりやったけど一緒に帰ったり… そんな事をしてるうちにいつの間にか静香を好きになってた 誰かを好きになった事なんてなかったしどっちかって言うたら好かれる側やったから初めは自分が静香の事が好きなんて微塵も思ってなかった やからオレが自分の気持ちをハッキリ自覚したのは相当遅くてもう静香が卒業なんて言う時期になっとった… 「白井せーんぱーい、先輩どこの高校行くんですかー?」 「……頬付クンには関係ないでしょう…」 「えー教えてくれたってええやん…ケチー」 「敬語!!」 本当は知ってるけどこんなことを聞いたりもした オレは静香が卒業するのが正直寂しかったんやと思う 結局オレに敬語使えって言い続けたのも静香だけやったなぁ… 「せんぱーい…一緒に帰りましょ?」 「またぁ?ほんと頬付クンも物好きね~…」 「………好きですよ…」 「はいはい、もう…それ頬付クンの事本気で好きな子たちに行ってあげなさいよ、きっとよろこんで…」 「オレ先輩の事けっこう本気で好きなんですけど?」 「え……」 自分から誰かに告白するなんて事無いと思っとったから自分でもこんなことになってびっくりした 一歩進んで静香との距離を詰める ちょっと顔を動かせばキスできるような距離やった 「今からキスします、本気で嫌やったら突き飛ばしてでも殴ってでも逃げてください」 「え、っや…そんな…」 「…………」 「……ぅ…ん…」 思えばこれがオレのファーストキスやったなぁ… 唇くっつけるだけやったし、無駄に顔赤かったし… でも静香はそれを拒まなかった

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