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弟・銀
「銀くん、あとはどことどこに行ったらいいかな?」
「あとは静香にあげるプレゼント取りに行って帰るだけです」
「そっか」
そう言って兄貴の彼女だと今朝紹介されたケバくて香水のきつい女の人は元から伝えてた店の方に車を向けた
今日は静香の誕生日で頼んでたプレゼントがギリギリ今日になって届いたらしい
間に合ってよかった…
結構ドキドキしとったから電話が来たときは安心した
この後、静香のプレゼントを受け取って家帰ってから静香を呼びだして祝う予定やった
ちょっとプレゼントに金を掛けたせいで外で祝う金は残ってない…情けないんやけど…
そんな時あることに気付いた
「あれ…ケータイ…」
鞄のポケットに入れてたはずのケータイがなくなっとった
今日一日ケータイつかっとらんから落としたとしてもどこで落したかわからん…
「どうしたの?ケータイないの?」
「…はい」
「電話掛けてみようか?」
「お願いします」
兄貴の彼女が自分のケータイを取り出してオレの言う番号に電話を掛けた
着信音はしない
やっぱりどっかで落したんやろうか?
「あ、もしもし?」
その時電話を掛けてた女が喋り出した
「あ、金?うん…家?そう…わかったー…」
「………」
「ケータイ金が持ってるって」
「兄貴?」
「銀くん家に忘れて行ったみたいよ?」
女はケラケラ笑って自分のケータイをしまった
……?
昨日確かにいれたと思ったんやけど…
そう思ったけどでももしかしたら家出る前にばたばたして落としたのかもしれんと深くは考えなかった…
「あ、銀くん、もう着くよ」
「ありがとうございます…」
この時オレはもっとちゃんと考えていればよかったんや
多少疑問は残ってたのに店が見えてきてことでそんな事は頭の隅に追いやられてしまっていた
静香が喜ぶ顔を思うと楽しみで仕方なくてその時はそのことしか考えられなくなってた
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