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銀のお兄さん

ピンポーン… 銀の家の前に着いた はぁはぁと息を整える へ、変じゃないかな…急いでたからあんまりおしゃれもできなかったし…お化粧も髪の毛も適当で… そうやってキョドキョドしてたらゆっくりドアが開いた パッと髪をいじる手を離す 誕生日の事…こんな風に黙ってて当日言うなんて…怒ってやる… 「ちょっとぎ…」 「あれ?いらっしゃい?」 「え……」 ドアを開けたのは銀じゃなかった 銀とそっくりだけど…でも… その人がニコッと笑う 銀じゃない? この人は銀じゃない…似てるけど…違う… 「………だれ…?」 「あれ?ばれちゃった?結構似てると思ってたんだけどなぁ…本当はちょっと関西弁練習してみたりもしたんやけど…」 「…………」 「あ、ごめんね、オレは銀の兄の金」 「……あ、お兄さん…」 そう言えばお兄さんが帰って来たって言ってたっけ? もう一度お兄さんを眺めた 背格好も顔もそっくり…あ、でもお兄さんの方がたれ目だわ… でもなんて言うか雰囲気がそっくりだった オーラって言うか…まとってる空気って言うか…そう言う抽象的な物がすごく銀と似てると思った 「あ…あの…私銀に呼ばれてきたんですけど…」 「あぁ、銀から聞いてるよ、お誕生日なんだってね?おめでとう」 「…ありがとうございます」 すごく人当たりの良い優しい人に見えた でも……でもなんだかすごくこわかった… 「銀ね、今ちょっとだけ買い物に言ってて家にはいないんだ」 「え、あ…そう、なんですか…」 自分から呼んだのに…? ちょっと不信感が募ったけどお兄さんは続けた 「せっかくだからさ、銀の部屋ででも待ってなよ?ね?」 「……は…はい…」 私はちゃんとこの時に銀に連絡を取るべきだったんだ… 銀のお兄さんだと思って油断した もっと慎重になって銀を待つべきだったんだ……

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