442 / 1015

側は本当に好きかな?

「………お邪魔しまーす……」 「どうぞどうぞ…」 お兄さん…金さんって言ったな… 金さんは銀の部屋まで案内してくれた 銀の部屋の場所は知ってたけど金さんがせっかく厚意としてしてくださってることだからおとなしくついて行った 「ここ、銀の部屋ね、飲み物は…お茶でいい?」 「あ、あの、お構いなく…」 そう言ったけど金さんはコップを二つ持ってきて一つを私に渡してもう一つは自分で飲み始めた 同じ部屋でお互い黙ったまま黙々とお茶を飲むっていう変な状況になってしまった… 金さんはニコニコしてる な、何か話さないと…… 「か、金さんは…普段は何をなさってる…方なんですか…?」 「んー…なにも?」 「………?なにもなさってないんですか?」 「んー…ちょっと前までは北海道でホッケ漁に出てたんだけどねー飽きちゃってやめちゃったから今はなんもしてない」 「そ、そうなんですか…」 なんだか不思議な方だな… そう思った すると今度は金さんがニコッと笑って話し出した なんだかぞくっと背筋が凍りそうな笑みだった… 「静香ちゃん…だっけ?」 「は、はい…」 「静香ちゃんはさ、銀と付き合い始めてどれぐらいたつの?」 「え、えっと…1年ぐらいですかね…?」 「銀の事好き?」 「好き…ですけど…なんでそんなこと聞くんですか?」 金さんが立ち上がって銀の机の上に置いてある私と移ってる写真を撫でる なんだか金さんの言い方にカチンと来た 「じゃあさ……銀はどうだろうね?」 「………え……」 「銀は君の事好きだと思ってるかな?」 「……質問の意味が、わかりません…」 何をこの人は言うんだと思った 私は銀の事を愛してるし、銀も私の事を愛してくれてる自信があった 「そう…じゃあこれ見て見なよ…」 「………」 そう言って金さんは自分のケータイを弄って私にその画面を見せてきた 「……え…」 そこには銀が派手な年上っぽい女の人と車に乗ってる写真があった 知らない人だった… 「本当に銀は君の事が好きかな?」 金さんがそう言う声がやけに大きく感じた

ともだちにシェアしよう!