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そうしてしまった

次の日 目をはらしたひどい顔のまま学校に行った 本当は休んでしまいたかったけど銀を傷つけたのは私なのに被害者面するなんて自分で自分が許せなかった そしてずるいと思うけど…もしかしたら銀が許してくれて、これからもいつも通り一緒に過ごせるかもなんて淡い期待を抱いていた でもそれは一瞬で打ち砕かれることになる… 「……ぎ…」 朝銀の学校の前に寄った 今思えば自分の罪悪感を少しでも減らすために銀に謝ったって言うことが形だけでも事実として欲しかっただけなんだと思う でもとにかく謝罪をしようと思って朝早くから校門の前で銀を待った そこで私は見てしまった… 銀がたくさんの女の子に囲まれながら登校してきたのを… 「………ぎ…ぎ、ん…?」 良く見れば今までずっと銀に下品な色目ですり寄ってたような派手で香水の匂いのキツイ女の子たちが銀の腕に自分の体を押し付けたり、わざと第二ボタンまで開けてすり寄ったりして銀の気を引こうとしていた 銀はぼーっとして目に光がない 「……ぎん…」 「………」 銀と女の子たちが私の目の前まで来た 銀がピタッと足を止めて私を見る 瞳が一瞬揺れて悲しそうな顔をしたように見えた 「だれー?」 「ねーぇ?ぎんー?」 「………」 女の子たちが騒ぐけど銀はじっと私の目を見て動かなかった 「……銀…」 「………」 少しの間見つめ合う 銀は何も言わないでやっぱり静かだった でも先に動いたのは銀だった 「………」 「…え…キャー♥」 「ッ!!」 「えー銀くんズルーい!!」 「私も、わたしもー!!」 息が詰まって何も言えなくなった 銀は突然自分の右腕に絡みついてた女の子の体を抱いて腰を折ってその子にキスした 感情の無い表情を浮かべて暗い目をして淡々と他の子にもキスしてる 信じられなかった 前みたいに私の顔を見るだけで顔を輝かせてうるさいぐらいくっついてくる銀からは想像もできなかった そうなってしまった… 銀はチラッと私を見てから表情も変えずに校舎に入っていく 私は動けなかった 私がそうしてしまった…

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