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許さない
銀が高校に上がった
「静香…その、いた……?」
「………ううん…」
「そ、そっか…」
銀と私の事を知ってる友達が私よりもがっかりしたような顔をする
全部は話してないけれどそれでも一緒にいて話を聞いてくれる良い子だった
銀はやっぱりうちの高校には来なかった
でもいいの…もしかしたら来てるかもって思っただけなの…
もしかしたらって…
「静香?」
じわっと涙が滲んだ
わかってたはずなのに悲しくなってその場にしゃがみこむ
「静香!?大丈夫?」
「…だ、大丈夫……」
まだ少しでも期待している自分が嫌だった
心のどこかで私は銀と元に戻りたいんだ
「静香…」
「いいの…大丈夫…」
なにもいいなんて思ってないくせに…
ホントは銀と元に戻りたくて…また前みたいに一緒にいたくてたまらないんだ…
私の中で銀がこんなに大きな存在になってたなんて…
「で、でもさ…静香…」
「……?…」
「私、何があったかよく知らないけど…ぎ、銀くんだってさ…静香の事、好きなんだからきっとちゃんと謝れば許してくれるよ……」
「………そうね…」
そう…
銀はきっと優しいから私が謝ったり泣きついたらきっと許してくれる…
また前みたいに優しくしてくれると思う…
でもだめなの…
「じゃあなんで…」
「許さないわよ…」
「え…」
「私が許さないわ…」
「………」
私自身が許さない…
あんなにやさしくて純粋だった銀を変えてしまった…私自身を私が許すわけにはいかないのよ…
きっと銀は私が謝れば許してくれるだろうしきっと一見元の仲良しカップルにもどれるでしょう
でもきっと銀はその後も私と金さんの事に悩むわ
銀は優しいから自分が私と別れてた間に何人もと寝たことも気にして罪悪感を抱いて…
私の知らないところでたくさん悩んでたくさんの罪悪感を抱くことになるのよ…
そんなこと銀にさせてまで私が銀のところに戻って良い訳ないの…
そんなの…私自身が許せない…
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