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弱いね
「ねーぇ?その後どうなのさ?静香ちゃんと?」
「………は…?」
「だから静香ちゃんとうまく行ってるのかな~って」
「………」
そうオレに聞いてきた兄貴はひどく楽しそうやった
「ねぇ?どうなの、銀」
「………」
飽きれてものも言えなくなった
そしてそれと同時に激しい憤りを覚えた
こいつのせいで…こいつのせいで静香とオレは…!!
「その後どうなの?やないやろ!!お前のせいや!!」
「いてて…暴力はヤダよー」
「うるさい!!」
気付いたら兄貴にとびかかって床に押し倒しとった
兄貴腹の上に跨って服の襟を握りしめ床にぶつけるようにゆする
うっ…っと兄貴が唸った
この時初めてオレは静香に対して未練があって、兄貴に憤りを感じてたんやとわかった
ドクドクと血が早く流れているような気がした
兄貴の服を握りしめて再度激しく揺すって兄貴の顔に顔を寄せて怒鳴った
ここしばらくないほどに気持ちが興奮しとった
「お前の…お前のせいや!!…お前のせいで静香とオレは……」
「………じゃあ…結局それまでだったってことでしょ?」
「!?」
兄貴がオレの下でそのまま喋り出した
「彼女ちゃんをそそのかしたのはオレ、だから彼女ちゃんが銀以外に体を許したのはオレのせい、彼女ちゃんが自分から離れていったのもオレのせい、銀が今こうやって無気力になっちゃったのも、彼女ちゃんと別れたのも…全部全部オレのせい…」
「…………」
「結局それぐらいで別れて、それぐらいで二人とも壊れちゃうならそれまでの関係…それまでの人間だったってことでしょ?」
「…………」
兄貴珍しく真面目な顔で淡々と続けた
何も言えなかった
でもそれは兄貴が行ったことをその通りだと思ってしまったからだ
「弱いね…銀も、彼女ちゃんも…」
「………」
ニッコリ笑って兄貴がそう締めくくった
さっきまであんなに腹が立っていたのにその気持ちはどこかに消えていた
静香のとこ…行かな…
兄貴の首を絞めてた手を離す
今すぐにでも静香に会いたくなった
静香…
立ち上がって兄貴に背を向けた
久々にちゃんと兄貴を兄貴だと思った
静香に会わな…!!
なのに…
「……ダメだよ」
「!?」
兄貴の部屋から出て今すぐにでも静香の家に向かおうとして走ろうとしたら後ろから肩越しにヌルッ…っと手が出てきてそれがオレの首に絡みついて後ろに引っ張られた
「もう銀はオレのなんだから…」
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