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寒い
「………」
一人暗い部屋でぼやーっとして横になっとった
また前みたいな途方もない虚無感と喪失感が体の中にあってそして胸の奥にぽっかり穴が開いたみたいやった…
……寂しい…
『銀…ちょっと考えさせて……』
やっぱりまなも嫌やったんやろうか…
悪くなかった静香にあんなに辛く当たって…兄貴に抱かれて…
まなはあの後すぐに帰ってしまった
………オレはまた一人になるんやろうか…
いやや…
ぎゅーっと布団を引っ張る
うっすらとまなの匂いがした
「……まな…」
さっきまでまなの寝ていた場所に手を乗せる
そんなわけないのにまだ温かい気がした
寒い…
抱き寄せた布団に包まる
寒い…
静香を失ったときもこんな感覚やった
寒くて苦しくて…
そしてそれを埋めるようにいろんな奴を抱いた
でももうそんなことしてもその虚無感が埋まることはないって知ってしまった…
もう一人はいやや…
「………まな…」
手を置いたところのシーツをぎゅっと握るとしわがよった
もうまなはオレと眠ってくれないんやろうか…
ぎゅうっと体を丸めて布団に顔を押し付けた
………寒い…
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