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最善
「…くぁ…」
「わぁ…学いまのあくびすごくかわいいよ!!so cute♥」
「志波うるさい…あっちいけ…」
「あれ?学今日は銀くんと一緒じゃないんだね?」
「……人の話聞け…あと触んな…」
「やーん…学も辛辣…でもそれならそれで…」
「聞けよ…」
結局ずっと考えたけど考えまとまらなかった…
銀…
しかも銀は今日学校に来てない
俺のせい…だよな……
でもあの時の銀になんて声かけてやればよかったんだよ…
「大丈夫」か?「元気出せ」か?
大丈夫でもないし元気なんか出ないだろ…
外野の俺がとやかく言えるような事ではなかった…
「あ、そうだ学」
「…なんだよ…あと近い…」
まだ俺の近くにいた志波がオレに顔を寄せて来た
「このあいださ、銀くんのお兄さん来た日、あのあとどうだった?」
「どうって?」
「銀くんなんかあった?」
「………ない…」
あったなんて言えるかバカ…
俺だってそのことで迷ってるのに人にあんなことペラペラしゃべれるかよ…
志波はさほど気にした様子もなくふーんなんて言ってまたどうでもいいことを話し始めた
………こいつもこんなへらへらした感じだけど喋りたくないこととか隠しておきたいこととかあるんだろうか…
じーっと志波の顔を眺める
やっぱり綺麗な顔だった
志波も銀と似たタイプの人間だ…
そう思うとオレは幸せなのかもしれない…
両親も俺自身も健在で親とは離れて暮らして入るけど仲も悪くないし多分いい方だ、それなりの稼ぎはあるんだろうしトラウマってほどの悩みもない
友達がいて家族がいて好きな人もいる
容姿も普通で勉強もそれなりできて特別できることもない代わり特別何をどうしてもこれだけはできないってこともない
今までそれが普通だと思って銀とか志波みたいな人間を羨ましいと思ったこともあったけど実は俺って相当幸せなんじゃないか…?
「ふふー、まーなぶ♥どうしたの?俺の顔じーっと見ちゃってー、kissしたくなっちゃった?」
「なっ!!」
「あー、真っ赤♥もしかして欲求不満?だったら俺が…んーっ…」
「やめろ!!」
「痛い!!」
………考えすぎか…
でも銀の事は心配だった…
かといって俺はどうしてやるのが正解かわからない…
………わからないんだ…
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