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最後の夏休み
そんなこんなで時間は過ぎてあっという間に夏休みになった
志波からメールが来て二泊三日分の荷物を詰めて集合って言われた駅まで向かった
「……なんでお前がいるんだ…」
「ウス!!猛さんお疲れ様です!!」
「若葉ちゃーん!!」
まだ朝の早い時間に健斗と途中で落ち合った猛と集合場所に行くと猛の後輩の若葉って子がいた
めちゃめちゃ大きい鞄を持っている
「俺が来ても良いよ?って言ったんだ~」
「言われたッス!!」
「………」
猛が眉間にしわを寄せている
健斗は辻くんが来てくれたのが嬉しいらしく手をつないでぴょんぴょんはねてた
「別に一人ぐらい増えたって別にかまわないよ?」
「………」
「みんなで行った方が楽しいしさ、ね?」
「……ウス…」
猛はなんだか納得がいかなさそうな顔をしてたけど了承したみたいだった
って言うかアイツまだ来てないのか…
スマホを開くともう集合時間一分前だった
「まーなっ」
「わっ!?」
「ふふっ、オレのこと気にしてくれたん?」
「………」
肩にずしっと重い物がのしかかってくる
そっちを見るといつものにやにや顔で俺の肩に顔を乗せる銀がいた
「……遅い…」
「別に集合時間に遅れてないし?」
「………」
「オレが遅れるかもって心配してくれたんや?」
「してない…」
「うそ」
「ひゃっ!!」
銀がぱくっと俺の耳を咥えてきて背筋がゾクッと震えた
「やめろ!!」
「照れとるー」
「うるさい!!」
体を捩ったり銀を押したりしても銀が抱き着いて離れないからなんだか恥ずかしかった
み…みんな見てるし…
猛たちだけじゃなくて駅を利用する人までこっちを見てくすくす笑われてて余計恥ずかしくて顔があつかった
「離れろ!!」
「痛いっ!!」
ぶんっと頭を後ろに振ると鈍い音がして方が軽くなった
いてて…
「まな~それダメやって、鼻ぺっちゃんこになるやろ~」
「なればいい…」
「かっこ悪いやん」
「うるさい…」
はぁ…っとため息が出た
やっぱり来ない方が良かったかもしれない…
鞄を持って志波たちと足早に駅に入る
後ろで銀がなんか言ってたけど無視した
高校3年…
高校生活最後の夏休みが始まった
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