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大人なおそろっち
「オレ、一回も紺庄先輩とお揃いとかしたことないんスよね…」
「………」
猛がはぁ…っとため息をつきながらそう言った
「くくっ…不憫…」
「うるさいです」
こいつオレにだけ余分に辛辣よな…まぁ、思い当たる節がたくさんあるからええけど…
まなはオレが近づいたのに気付いてこっちを睨みながらなんか猫がふしゃー!!っておこっとる時みたいなオーラを出しとった
それを笑って流す
まなは『アレ』着とるからオレに文句を言ってこない
きっとばらされるとか思うとるんやろ?
だからまなはせめてもの抵抗とオレを睨み付けていたけど猛がはぁ…っと再度ため息をついたのを聞いておろおろしてた
「だ、大丈夫だって…俺と銀だってお揃いとかそういうのないしさ…別に、その…健斗にとってはそんな重要な事じゃないんだよ…」
「………」
まなは哀愁を漂わせる猛を一生懸命慰める
お揃いなぁ~…オレはええんやけどまながすっごい嫌がるんよなぁ~…毎回ちょっと傷ついとるんやけど…
そこでふと思い出した
あ…あるやん、お揃い
「あるで?まなとオレにもおそろっち」
「おそろっちって…」
「しかも健斗たちのなんかよりもっとええもん」
「?」
まなはきょとんとして首をかしげてた
「まな今も付けとるで?」
「……?…」
「………?…」
やっぱりまなは不思議そうな顔をして自分の身に着けてるものを見てやっぱりわからないって言うような困った顔でオレを見た
猛もオレとまなを見比べて首を捻っている
「まな、こっちおいで?」
「………」
腕を広げてまなを呼ぶとまなはととと…っと寄ってきて広げた腕の中にすぽっと納まるように自然に寄って来た
最近まな考え事しとると人前なのそれまで怒ってた事とか忘れて自然とこういうことしてくれるようになったなぁ~…言ったら顔真っ赤にしておこるんやろうけど…かわええ…
まなはまだ何がお揃いなのか気になるらしく何度も自分の持ち物を確認して首を捻ってる
「ほら、ここ…」
「!?」
「!?」
まなの履いとるシンプルな海パンとその下に履いとるものの腰のところに指を掛け、スルッと少しだけ下に降ろしてみせた
まなの細い腰に浮き出た腰骨がチラッと見えた
「やめろっ!!」
でもまなは体をビクッと震わせてすぐに海パンを引き上げてしまった
かぁっと耳まで真っ赤になって海パンの腰のところをキュッと握ってる
涙目…
まなはちらちら猛を確認して海パンの下に履いているものがばれてないか気にしていた
ちなみに志波が今向こうの方から撮った写真は後で責任を持って消しておく…
「嘘かよ!!やめろよそう言うの!!」
「別に嘘やないで?」
「お揃いなんてどこにも…」
「あるで?ほら、オレも…」
「!?」
スルッとオレも海パンを少しだけ降ろすとちょうど腰骨の上の位置にぽっちりと小さい赤い鬱血の痕がついとった
今志波が撮った写真も後で消す…
まなの顔がかぁっと赤くなる
口をパクパクさせながら自分の腰を確認して急いで手で押さえたのがかわいらしかった
ちょっと前に兄貴に邪魔されて途中までしかできなかった時の痕や…まぁオレはもっとガッツリつけたけど…
猛ははぁ…っとため息をついて黒いオーラを出していた
こいつ絶対将来禿げるで…
「なんなら今ここでもっとお揃い増やし合いっこしてもええで?」
「なッ!!」
まなは恥ずかしいのか怒ってるのか何も言えないみたいやった
くるっと振り返って海に向かって歩いて行ってる
まぁこれから大量に増えることにはなるんやけど…
まなしばらくは恥ずかしくて服脱げんなぁ…
怒って大股で歩くまなを追いかけながらどこに増やそうかなんて想像を巡らせた
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