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ヘタレムッツリスケベ
「若葉ちゃーん!!いくよー!!」
「了解ッスー!!」
オレの頭の上を紺庄先輩が高くあげたボールが弧を描いて若葉の方飛んでいく
………………
「オーライオーライッスー!!……っぶ!!」
「若葉ちゃーん!!」
そのボールが若葉の顔面にキレイに決まって若葉は後ろ向きにひっくり返ってバッシャーンと派手に水しぶきをあげた
紺庄先輩がそんな若葉に駆け寄って二人で水浸しになって大笑いしている
………………
「たけるー!!次猛からねー」
「…………………」
先輩がニコニコ笑ってオレのところにボールを持ってきた
………なんか…違くないか…?
そのボールを受け取りながら首を傾げた
紺庄先輩もそんなオレの様子を見て一緒に首を傾げる
…………かわいい………じゃなくて…
ここ二日、ほとんどオレらは3人で行動していてオレと紺庄先輩とで二人きりになることはほとんどなかった
それって…どうなんだ…?
先輩と若葉は楽しいみたいだけど…
「けんとー!!猛ー!!あと…えっと、あ、若葉ちゃーん!!」
「あとってなんすか!?」
そうやってオレが考えていると海岸から志波先輩がオレたちを呼んだ
「お昼はバーベキューだよー!!」
「やったー!!バーベキューだー!!」
「バーベキューッスー!!」
志波先輩の後ろでは頬付先輩と学さんがイチャイチャ…っていうか頬付先輩の一方的セクハラを学さんが受けながらおいしそうなバーベキューの準備をしている
別に欲求不満ってわけじゃないけどちょっと頬付先輩たちを羨ましいなと思う…
ボーっとそっちを見てるとこっちを見た頬付先輩と目が合った
嫌な予感がしたけど逸らすと負けな気がして逸らせない
すると頬付先輩はニヤッと笑って近くにいた学さんの腰を引いた
そのまま迷惑そうにもがく学さんの首筋に顔を埋めたり体をまさぐったりやりたい放題している…
ちょくちょくこっち見てはニヤニヤしてるし…
紺庄先輩に触れてないのも相まってなんだか頬付先輩にヘタレだと馬鹿にされているようでイラッとした
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