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二人がいいです

頬付先輩が学さんとイチャイチャする様子をオレに見せつけてくる… なんだか馬鹿にされてる気がして無性に腹が立った そんなオレの横をわーいと上機嫌に声を上げて走り抜けようとする紺庄先輩… その時頬付先輩のにんまりした顔が頭によぎった 胸の中に何かもやっとしたものが現れて思わず紺庄先輩の手を握って引っ張る ハッとした時にはもう紺庄先輩はオレの腕の中にいてこっちを見上げてきょとんとしてた 「え、うぁ…猛?」 「………」 「?」 不思議そうな顔をする紺庄先輩… ど…どうしよう… なんかとっさに引っ張ってしまったけど何も考えてなかった… 「?…お昼?バーベキューだよ?」 「………」 小首を傾げた先輩が海岸を指差して言う あ…でも… 久々に先輩の肌に触れた気がした やわらかくてすべすべしてる… なんだかくらくらして今すぐにでも先輩を押し倒したくなった オレだってもっと先輩に触りたい… 「……先輩…?」 「…?なぁに?」 「今日…部屋に若葉呼んじゃダメです…」 「?…なんで?今日はおれ若葉ちゃんとまくら投げ…」 「ダメです」 「……?」 「…あ、の…先輩と…その………二人がいいです…」 「…………わかったよ?」 先輩はそういうとオレの頭をぐしぐしと撫でてきた なんかしどろもどろになってしまったオレと視線を合わせてにこーっと笑う なんでこんなことされてるのかよくわからなくて目をぱちぱちした なんかアホみたいな顔になってる気がする… 「わかったよ、じゃあ今日はおれと猛の二人ね?」 「…………ウス…」 「ふふー…じゃあ、お昼いこ!!お肉食べられちゃう」 「………」 先輩はにこっと笑ってオレの手を引いた この人はこれをわざとやってるんだろうか… なんだか柄にもなく顔が熱くなる どっちにしろちょっと今晩が楽しみになってしまった… その後頬付先輩や志波先輩に冷やかされたり若葉になんで部屋行っちゃだめなんスかー!!って泣きつかれたけどそれが全然気にならないくらい浮かれてしまってた

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