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悪巧み

「今晩は部屋に来るなって言われたッス…」 「……ふーん…」 若葉ちゃんは俺の隣のデッキに体育座りをしてちゅーっとトロピカルジュースをすすりながらそう言った …まぁ…健斗と猛も付き合ってるならそういうことするよね…二人とも家族と住んでるからいつもできないらしいし…うぅ…かわいそう… 「きらわれたッス…」 「いや、ちがうでしょ」 「……え…?」 本気でバカだと思った いやだってそれぐらい察するでしょ… 「猛と健斗だって恋人なんだよ?」 「…?……ウス…」 「いつもできないみたいだし健全な男子高校生ならするでしょ、普通」 「………」 はぁ…っとため息をついてビーチに視線を戻す こんな無粋な事言わせないでよまったく…日本人はもっと察する力があるんだと思ってた… 若葉ちゃんはじーっとデッキを見つめうつむいてる 憧れの「猛さん」もそんなことするって知って落ち込んじゃったの? 夢見すぎだね…猛も気の毒に… 「ノア先輩…」 「…なに?まだ何かあるの?」 「するって何をですか?」 「……は…?」 きょとんと首をかしげて若葉ちゃんは俺に聞いてきた 逆にこっちがきょとんとしてしまう… 「だから、するって何するんですか?」 「………」 「…?」 沈黙が流れる 「もしもだよ…?もしも若葉ちゃんにかわいいgirl friendがいたとして」 「ウス」 「その子と二人で旅行に来たとするじゃん?」 「ウス」 「それでね同じ部屋の同じベットで寝ることになったらなにする?」 「まくら投げッス!!」 「おい」 マジかこの子… また深くため息が漏れて目を覆った …俺この質問にこんな喜々としてまくら投げッス!!って言った子初めて会ったよ… 「若葉ちゃんほんとに彼女と二人で旅行に来たらまくら投げするつもりでいるの?」 「あ、トランプ大会の方がいいッスか!?それともUNOッスか?」 「そこじゃない…」 もう頭痛いんだけど… この子がこんなにアホだとは思わなかった… 当の若葉ちゃんはもうさっきまでうじうじしてた事も忘れたのかトロピカルジュースにくっついてた花を頭に差して喜んでた でも良いコト思いついた… 「ねぇ…若葉ちゃん…」 「?…なんスか?」 「猛と健斗が何するのか気になる?」 「気になります!!」 「じゃあさ…俺が教えてあげよっか?」 「ほんとッスか!?」 若葉ちゃんはぺかぺか笑顔を浮かべて喜んでた ……馬鹿だなぁ…でもまぁ…旅行の間の「つなぎ」としては上々かな…かわいいし…顔は… それなり夜が楽しみになった さすがにそんなことまでされたらこの子もうっとおしくくっついては来なくなるでしょ それまでの心棒と思ったらまぁ今ぐらいはそばでぎゃーぎゃー言っててもいいかと思えた 「これ、おかわりないんスかね?」 「……さぁ…?」 「さがしてくるッス!!」 若葉ちゃんはそう言ってジュースのグラスを持ってぱーっと走って行った ホントに危機感ないんだな… 思わず笑えるほどだった

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