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kiss you
なんで「勝手にすれば…」なんて言ったのかわからない…
でも多分…心のどこかでまた若葉ちゃんが寄ってきてくれたことに喜びを感じて安心したのかもしれない…
背中に若葉ちゃんがぴったりくっついてるんだと思う
じんわりあったかいしさっきから若葉ちゃんが俺の肩甲骨の辺りに顔を埋めてふんふん匂いを嗅いでる…
無意識なんだろうけど…本当に犬みたい…
はぁ…っとため息が漏れて呆れはしたけど不思議と嫌な気はしなかった
「先輩…あったかいッスね…」
「………若葉ちゃんが子供体温なだけだよ……」
そう言うと若葉ちゃんはよりくっついてきた
ホントにあったかいな…
二人で寝てるせいもあっていつもより布団が暖かくて気持ちいい…
だんだんうとうとしてきた……ねむ…
「グー…」
「………」
「グー…すぴょぴょぴょぴょぴょ…」
「………」
心地よく眠気に身を任せようとしたら突然大きな音がした
せっかく良い感じに来ていた眠気が引いて行く
ちょっとイラッとした…
「すぴょ…すぴょぴょ…」
「……うるさい…」
「フガッ…!!」
「………」
振りかえると若葉ちゃんは俺の着ているバスローブを握ったまま眠って盛大にいびきをかいていた
鼻をつまむと変な顔で面白い
ぶっさいくな顔…
そう思うとククッと笑いがこぼれた
まだかっちかちに勃起したままだし…
良くこんな状態で眠れるな…
少しそこに手をやるとぴくんっと体を震わせてる
でもまたすぐに若葉ちゃんはすぴょ…っと変ないびきをかいて気持ちよさそうに眠りに戻って行った
若葉ちゃんのいつもはあげられておでこが見えている前髪に触れる
自分で染めてるのかうまく染めきれていないところがあって、ところどころに茶色の髪の毛が見えた
こんなに近くで見ることがないからかわからなかったな…
生え際とか…ほとんど茶色になってるな…
若葉ちゃんの前髪をいつもみたいにあげるとつるつるのおでこが見えた
「………若葉ちゃん…」
「…………」
「若葉ちゃんの事…連れてこなきゃよかったっていったの…無しね…」
「…………」
「連れてきてよかったよ……」
そう言うと同時に若葉ちゃんのおでこにキスする
若葉ちゃんがちょっと笑ったような気がした
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