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番外編 ハッピー?バレンタインデー⑥
次の日。無機質な音で目が覚めた。
まだまだ寝足りない身体を無理矢理お越しアラームを止める。
ふと目に入った通知欄を見ると、彼方からの返信が来ていた。
よかった…、無視されていた訳ではなかったようだ。
………。いや、待てよ。安心するのはまだ早い…問題は内容の方だ。
どうせ彼方のことだ。素っ気なく文句が書かれているかネチネチと嫌味が書かれているかだろう。
そう思い恐る恐るメールを開く。
と。
「……は?」
『明日。放課後、会いに行く。』
これは……どっちだ…?
怒ってる……いや、怒ってない…の、か…?
と言うか何故に片言…?
………わからん。
どれだけスクロールしても出てくるのはその一言のみ。
え、なに?明日?…明日って…今日?え?今日?って、今日??
来るのか?彼方が?え、どこに…?会社か?それとも家…?
寝起きの回らない頭では何も考えられず、疑問しか浮かんで来ない。
そうやって返信もせずにただただ彼方からのメールを見つめていたら、フッ…とスマホの画面が切り替わり部屋に再び耳障りなスヌーズ音が響き出した。
刻々と時間だけが過ぎて徐々に出勤時間が近づいてくる。
はぁ…取り合えず、会社行かねぇと…。
俺は彼方に「わかった。」とだけ返してベッドにスマホを放り投げ、顔を洗いに洗面所へと向かった。
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