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お泊まり。

「おいオッサン。」 「なんだよ。」 「なんだよじゃねぇ、邪魔だ。」 「邪魔だとこのクソガキ、折角俺が冷えてるお前を温めてやってんのに。」 「嘘こけこのセクハラ親父!!ひとの服ん中に手ぇ突っ込む必要がどこにあんだよ!!!逆に冷てぇだろーが!!!」 ここは俺、日向 明日香の自宅のリビング。2Lkのマンションでそこそこ広いこの部屋に、ほぼ毎週末 彼方が泊まりにやってくる。 午前10時過ぎ。朝食も食べ終わり、今はソファーとテーブルの間に彼方が俺に寄り掛かるような体制で座っている。 「暇。」 「知らねぇよ!俺は暇じゃねぇの!!」 「何してんだよ。」 「見りゃわかんだろーが、勉強だよ!!べ、ん、きょ、う!!」 だから邪魔すんなよ、と彼方がテーブルに向き直る。 えー、何でコイツ見た目こんな(※1ページ参照)なのに、成績優秀のくそ真面目なわけ? まぁでも、やるなと言われればやりたくなるのが人の性というもので、 俺は彼方の服の中に未だ潜り込んでる手を動かし始めた。 「ちょ、テメェ……ンッ!」 へその周りをくるくるとゆっくり撫でる。 「くすぐった…フッ、クッ…」 手から逃れようと身を捩る彼方を押さえ、尚も手を動かし続ける。 「マジ、やめろっ、て…オッサ、ぁあッ!!」 「ほらほら、勉強に集中してー。」 「ハァッ…ハッ、ほんとに、もっ…」 心なしか息も荒くなってきている。 「やめろって…、言ってんだろーがッ!!!!」 「ごふッ!!!」 叫ぶと同時、彼方の後頭部が俺の顎にクリーンヒット。 「舌噛んで死んじまえ!!!」 捨て台詞を残し、彼方は寝室へ閉じ籠ってしまった。 「おぅッふ…、彼方のヤロォ……」 仮にも恋人に頭突きはねぇだろ…歯折れるかと思ったわ! 俺は顎を擦りながらキッチンへコーヒーを淹れに行った。 (この間は泣かせちまったから、今日は構い倒してやろうと思ってたのに) なんだよクソガキが、ほんっと可愛くねぇな。俺が拗ねてやろうか?ったく。 「チッ!!勉強ぐらいどこでもできんだろ…!!」 そう言いながら煙草に火をつけ、換気扇を回す。 ツンデレめ、折角の休みなんだからさっさとデレろよ!! そもそも彼方はツンが多すぎんだ!!ツンツンツンツンしやがって、デレが1割もねぇじゃねぇか!!! …後で覚えてやがれ、涙でぐしゃぐしゃのどろっどろにしてやるからな。 俺はプハァッ…と煙を口から吐き出しながら、一人 「あー…、早く夜になんねぇかな…。」 と呟いた。

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