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お泊まり。②

コトコトコト… 窓の外が赤く染まり始めた午後6時頃。 俺は一人 鍋とにらめっこをしていた。 あのクソガキ、結局一日中部屋から出てこなかったじゃねぇか。 出てきたのはせいぜいトイレかお昼ご飯くらいで、しかもお昼ですら寝室に持っていきやがった。 「なんだよ、そんなに勉強が好きか?そんなにテストが大事か?」 畜生、こちとら締め切りを守らねぇのろま作家のせいで欲求不満なんだよ!! イチャイチャさせろよ!!! ベタベタさせろよ!!!! そんなことを考えていると、ガチャッと音をたてて彼方が伸びをしながら寝室から出てきた。 「ん~~ッ、終わったぁ…。オッサンご飯出来てる?」 「今作ってる。」 「何作ってんの?鍋?」 「ロールキャベツ。鍋がよかったか?」 「いや、俺ロールキャベツ好き。」 彼方はそう言うとソファに腰掛けてテレビを見始めた。 「おい、手伝おうかとかはねぇのかよ。」 「え、手伝って欲しいの?」 「なんだそのびっくりって顔は。」 「めんどいからヤダ。」と彼方は再びテレビに視線を戻した。 「あのなぁ…」 そうかそうか、わかったよ。お前は恋人よりもテレビや勉強が大事なんだな。 (もういい。拗ねてやる。 泣いて謝ったって知らねぇからな?) そのあとはいつもどおり二人で夕飯を食べ、別々で風呂に入り、しばらくの間は各々好きなことをしていた。

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