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ばれました。③~幼馴染み編~

「え…、どういうこと…?」 「それは…」 信号が変わりアクセルを踏む。 そろそろマンションが見えてくる。 「…男と付き合ってるとか、彼方と付き合ってるとかそういうことを知られたくなかったんじゃなくて、俺が付き合ってる相手をアイツに知られたくなかったんだよ。」 「は…?」 マンションの駐車場に車を止め、荷物を持って降りた。 「…意味わかんね…。」 「だから、」 それは…と答えようとすると丁度エレベーターがチンッという音をたてて止まった。 中に乗り込み続きを話そうと口を開いたその時、 「俺にバレたらからかわれるからでしょ?」 「!?!?おまっ!なっ、なんでここに!!!」 「先回りしちゃった❤」 エレベーターに乗り込んできた秀一がきゃっと頬に手を当てて言った。 「ビックリするほど可愛くない。」 「…うん、俺も思った。自分でわかってるからそれ以上傷を抉らないで。」 四角い箱の中に暫しの沈黙が流れる。 「……あのところで、長谷部さんどうしてここ知ってたんですか?」 「一回風邪でコイツがぶっ倒れたときに、ここまで俺が運んで看病したからね。その時に覚えました!元々家近いの知ってたしね。」 「今すぐ忘れろ、そして帰れ。」 「看病……」 「おっおっ?なになに彼方君、嫉妬?嫉妬かな?」 またしても秀一がニヤニヤ顔で彼方を覗き込んだ。 「っ!?べ、別に嫉妬とかじゃッ……!!!////////」 カァーッと彼方の耳まで赤く染まる。 「やめんかアホ!」 「だって彼方君が可愛い反応してくれるからさ~」 「…行くぞ彼方。」 俺は彼方の腕を引いてエレベーターを降り部屋へと急いだ。 「……で、お前はどこまでついてくるんだ?」 「え?おもてなししてくれないの?」 「してくれないの、だからマジ帰れよ。」 結局部屋の前までついてきた秀一を閉め出そうと扉を閉じると、ガッと隙間に足を差し込まれる。 意地でもうちにあがるつもりらしい。 「あの、あがってもらえば…?折角来て頂いたんだし…」 「ほらー彼方君もこう言ってるんだしさぁー」 「……………」 「な?いいだろあがっても?」 「明日香…」 珍しく眉を下げ困り顔の彼方。左手の先できゅっと俺の服の裾を掴んでいる。 可愛いな…クッソ…… 「はぁー…わかったよ、入っていい。」 「やりっ!!」 「ただし!コーヒー1杯飲んだら帰れよ。」 「はーい。」 最後は俺が根負けして、非常に不本意ながら秀一を部屋に招き入れた。

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