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番外編 ハッピー?バレンタインデー④

編集長に死刑宣告を受けて数時間。 俺は喫煙室で愛煙のセブンスターを吸いながら、手の中の未だ白いままの四角い画面を見つめていた。 最初は電話で伝えようかとも思ったが彼方に怒られるのは目に見えているので、ここは敢えて文面でいかせてもらう。 ライン…は止めよう。 だって既読無視とかされたら普通に傷付く… アイツやりかねないからな… さて、メールにすると決めたはいいものの…いい文章が全く思い付かない。 先程から書いては消し書いては消し…結局一文も完成していなかった。 「…なにさっきからスマホとにらめっこしてんだよ?彼方君に送らねぇの?」 隣でこちらも金マルを吹かしながら秀一が言った。 赤じゃないところが秀一らしい。 「チッ…うるせぇな……。いや…、送る…送るけど……」 ねぇ。今舌打ちしたよね?何気にうるせぇとかも言ってるよね?酷くない?俺訊いただけだよ? …秀一が何やら文句を言っているっぽいが聞こえない。聞こえてるけど聞こえない。 知るか。俺は今お前に構ってる暇はねぇんだよ。 再びメールに思考を巡らせるが、やはり適当な文章は思い付かなかった。 「はぁ……いくら彼方君に会えなくなって不機嫌だからって、俺にあたるの止めてもらえません?俺悪くないじゃん。」 「もうマジちょっと黙ってろよ、唯でさえ疲れてんのにうるさくて頭回んねぇだろうが。」 「うわぁ。もう理不尽以外の何物でもないわ。」 ええい、もういい。こうなったら言い訳なんてせずありのままを話そう。 彼方もきっと分かってくれる………はず…。 仕方なく、俺は先程の出来事をそのまま書き意を決して送信ボタンを押した。

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